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2012-01-23

「ART」は教育じゃなくて思い出と共に味わいたい。

最近よく聞かれること。


「親子でアート鑑賞しているそうですが
 お子さんにどのような芸術教育を与えたいと
 考えていますか?」


芸術教育。。。?
どうして美術(館)+子供=「教育」なの???

例えばサッカー。
サッカーを子供にさせるとき「運動教育」とか言いませんよね。
(今はもしかして言うのか???)
うちの息子もサッカーが好きでクラブやスクールとやってますけど
でもそれはあくまでも
サッカーが好きだし仲間が好きだし
でやっているのであって
運動能力教育のなんてことは思っておりません。はい。


私はそもそも「教育のために」子供と美術館に行くということを
考えたことがありません。
まだ小さいし教育っていってもねえというのもあります。
それに正直「教えてやるぞ」って場所に教えてもらいにいのって
つまんないじゃないですか。
私自身妊娠中に美術大学の公開講座に参加したことがありますが
それはあくまでも私が「学びたい」と思って行きました。


ではなぜ芸術作品に会いに行くのか。
まあ一番の理由はひとりでも楽しめるからというのがあります。ここ重要。
でもひとりでも楽しめるものは他にもある。ではなぜ「アート」なのか。
アートに触れるとはどういうことなのか。
それはそうですね。「思い出と一緒に記憶に残したい」からでしょうか。


今まで私たちは
大事な場所とか
住んでいた家とか
好きなチームとか
美味しいレストラン
等が自分の中で「思い出」として
各自の歴史に刻まれていたと思うのですが
昨今特に

止められない経済の流れとか
逆らえない自然の力とかで

「そこに留まっていたものが簡単に無くなってしまう」
ものだと思い知らされることが多くなってきました。



そう、案外皆はかない。



ではアートはどうなのか。
(色々な人の手に渡るかもしれませんが)
有名な芸術作品はそう簡単には消えないものです。
皆が求める作品であれば
どの人の手に渡っても再び会える可能性があります。


子供の時母親に手を引かれてみた作品を
転校した先の学校の校外学習で観て
そして
別の国で働くようになった時休暇で近くの美術館で再会する。


そんな風に沢山の場所で出会う作品を観ると
きっと沢山のことを思い出すと思うのです。


その時には行けたのにもう行けない場所。
その時には会えたのにもう会えない人。
でも一緒に見た作品は自分の目の前に存在する。
無くなっていないのは自分そのものと目の前の作品。


遠い昔を思い出しながら
そして今の自分を再確認する。
こんな体験が世界の色々な場所で出来るわけです。
なんかすごく世界が広がった気がしませんか?


そんな想いを何度も体験したいから
何度も何度も体験してほしいから
きっと私は美術館やギャラリーにひとりや家族と通い
作品の前に立つのだと思います。


美術館はこういう思い出をフォーカスした鑑賞を
もっとやったら楽しいのにと個人的に思っています。

「この作品のお披露目の年に産まれた子を集めた鑑賞会」
「この作品が発表された年に結婚したご夫婦を集めた鑑賞会」

とか作品とライフイベントを組み合わせたら
もっと気軽に美術に触れられるのになって思ったりしてるのは
私だけなのかな。
私今だに息子が最初に鑑賞した作家さんとか
最初に感想を口に出して話してくれた作品とか
メモってありますよ。
本人が大きくなって作品に再会した時
「ああこれ随分小さい時に観てるんだよなー」って
思い出してくれたら嬉しいです。


みんなどんな気持ちで美術館に行くのかな。
どんな気持ちでもいいし学びでも楽しみでもいい。
美術館への帰り道が楽しい気分でありますように。
もし楽しい気分で帰れたなら
きっとすぐにまた行きたくなりますよ。
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theme : アート
genre : 学問・文化・芸術

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