2011-10-31
森美術館「メタボリズムの未来都市展」を観てきました。

森美術館にて
「メタボリズムの未来都市展」
を観てきました。
今回はおやこでアートでも参加してきたのですが
やはりちゃんと観てからまとめたいと思い
すぐに再訪してしまいました。
★今回はかなり細かい模型等が多いのです。
美術館に慣れていない幼児さんを連れて行く場合は十分注意しましょう。
細かい作業や模型が大好きです。
沢山の模型や映像をみてると作られた思いとか模型の中に小人がいるんじゃないかとか
心が躍って踊って。。。
ああこの屋根は模型ではこうなってて
実際だとこうやって作ったのかなあとか
想像するともう楽しくて楽しくて。。。
正直ずっと観ていたかったです。
そもそも「メタボリズム」とは何か。
太めの私にはかなりきつい言葉なのでつい耳についてしまいますが
ここでの「メタボリズム」は「新陳代謝」を建築的に表現することだそうです。
建物はその人の生活様式、取り囲む人の数、その他関係するすべての要素にあわせて
増殖、現象を臨機応援に繰り返すとのこと。
そう、建物は生き物。
形あるものは必ず壊れるし生き物は絶えず変化をしていく。
人間が営む生活は常に変化するものと考え
その変化に応じて「増減していく」という考え方です。
木造建築が主体の日本ならでわの考え方であるとの説明もありました。なるほど。
メタボリズム建築の事例のひとつとして有名なものが「カプセル建築」。
国立新美術館を作られた黒川紀章さんはこの建築の代表作を作られた方。
その作品が「中銀カプセルタワー」ですね。
こちら実は賃貸に今でも出ています。
中銀カプセルタワービルの物件詳細
私たちも実際に建物の前まで行ったことあります。
なんだかとても不思議な建築でした。
今回の展覧会では内部の映像もあり生活様式を覗き見することが可能です。
そして実寸のものが六本木ヒルズ内に展示されています。
(時間がなくてまだ未見)
生活映像は(映像だけでも)とても面白かったです。
実際生活するとどうなんだろうと更に想像しています。
そしてここで過ごして落ち着けるのかな?ドキドキしないのかなとも。
カプセルの増殖で生活形態の変化に対応するという形式は
聞くだけなら自由に感じるけど実際はどうなんでしょう?
居住の追加というのは実は個の責任を伴うものでもあります。
だって小さいとはいえ「家」ですからそう安い買い物ではない。
その費用を払うのは自分。そして使い心地は使ってみないと分からない。
うう、この責任。
実は凄いプレッシャーな気がします。
それにしても前衛的で刺激的な建物ばかりでした。
公共建造物だとその姿勢や刺激をとても楽に受け止められるのですが
住居だと余計にドキドキしてしまうのは私が子育て主婦だからでしょうか。
こういう場所での勤務や生活ってどんな感じなんだろう。
想像ができないので余計にドキドキしてしまいます。はい。
同時にこの「ドキドキ感」は「六本木ヒルズの森美術館」という空間にあっているなと思いました。
行き交う人々が先進の場に自分がとけ込んでいると思い込みながらでも
「なんだか不安」「なじんでない自分」という気持ちを密かに共有する感じ。
そして同時に窓の外から眺める人工的建築物を観ながら
大地を踏みしめて森の中を歩いた感触を思い出しているメタボリズム建築の住居人の想いを巡らします。
私には「メタボリズム建築」というのは自分自身が確立していないと
とても落ち着けるものではないなと感じたことをここに告白します。
素敵だけど、こういう家では落ち着かないよ。。という感じ。
生活が主体な「家庭の主婦」だからでしょうか。
ついつい家庭目線でみてしまいます。
今回の展覧会では女性の建築家って殆どお見かけしなかった気がしています。
メタボリズムはまさに「男のロマン」なのかもしれません。
実現しなかったメタボリズム建築にいきなり放り込まれたお母さんの気持ちを
想像しながら美しいCGをずっと観ていました。
2012年1月15日まで。
会期中は無休です。
個人的に強くオススメしたいのが
こちらの展示を観た後にぜひ表参道まで移動して頂き
岡本太郎記念館の
「岡本太郎生誕100年第三弾企画展「ヤノベケンジ:太陽の子・太郎の子」展」
を観て頂きたいです。
人間が作ってきた「もの」をどう扱っていいのか頭を抱えてしまっている昨今。
恐怖と混迷に絶望することさえ気がつかぬふりを強制させられてる日々。
そのような私たちに「大陽の子」は前向きな気持ちをプレゼントしてくれます。
それは「大陽の子」を観た人すべてに素晴らしい機会を与えてくれることでしょう。
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theme : 美術館・博物館 展示めぐり。
genre : 学問・文化・芸術