fc2ブログ

2011-10-07

The Container (Bross hair salon内)「Chim↑Pom「K-I-S-S-I-N-G」」を観てきました。

takasimaya072502
The Container (Bross hair salon内)にて

「Chim↑Pom「K-I-S-S-I-N-G」」

を観てきました。


なんとなく、なんとなくずっと気になっていたこの展示。
iPhone4Sの予約も気になっていたのですが
息子の登園中に中目黒方面で時間が作れたので伺ってみることにしました。

場所を確認したところ
ギャラリーらしき場所は見当たらず。あれ?と思っていると
美容院からおにいさんが笑顔でこちらへ。
えー髪は先週切ったばかりですと言おうと身構えていたら

「展示をお探しですか?」

ありがとうございます。そうなんです。
そこでおしゃれな代官山の美容院に入ると隣にコンテナ的なブースが。
「展示はこちらです」と促され中に入りました。


今回の展示は東日本大震災以降に人々が感じている「不安」と「寂しさ」がテーマなんだそうです。
このテーマに「○○に対する」という部分がないところに個人的にとても注目していました。
この東日本大震災というのはとても規模の大きい災害であります。
そして規模が多いということはその震災に対する体験(被害)もいろいろな情景があるということです。
「被災地のことを考えれば」という枕言葉で現在の自分の状況での不安感を
全面否定されられた人も多かったこの東京。

私たちだって、不安なのに。。

という気持ちを出せない不安。
この「主語のない不安」がテーマだといいんだけどなと思いながら
コンテナに入りました。



なかには3つの作品がありました。
男女の顔の描かれた二つの電球が衝突し、割れ、最後は真っ暗になるビデオ作品「Kiss」
十字架にかけられた等身大のキリストにキスするエリイさんの写真「King & Queen」
床に散乱する割れた電球たちも作品です。
そこから通震災後の電力不足と人間の「寂しさ」や「脆さ」さらには「不安」が
なし崩し的に鑑賞者に猛烈に流れていきます。

「King & Queen」がうっすらとしか見えない暗闇の中で
「無駄な電気を消して!」と何度も繰り返すテレビを消して
息子と早寝した寒い日のことなどを思い出しました。
そういう日は大体朝震度3とかで起きたことも。
正直怖かったけど怖い怖いってあまり言えなかった。



東京で生活しているのに
地震で壊れたものなんてなかったのに
常に不安を感じている自分がとても情けなくて
そんなこと口に出してはいけないと
気持ちを封印していた頃を思い出しました。

怖かったら怖いって言葉に出して言っていいんだよ。
不安だって言っていいんだよ。
そんなに気持ちが張っているとあなたそのものが壊れてしまうよ」

そんな声が聞こえてきた感じがしました。



あの時に言ってほしかった言葉。
あの時に伝えたかった言葉。


あの時の不安をちゃんともっと理解したかったです。
この作品のように。



私にとって今回はChim↑Pom作品で一番好きな空間になりました。
「人は誰だって弱い」というある意味とても恥ずかしい部分を
素直に出していいような空間でした。
エリィさんの母性的な部分に癒してもらったというか。
閉め切って鑑賞というのもとても母性的な感覚を感じました。


気持ちが沈んでいたらなんか泣き出してしまいそう。。。
そういう人いるんじゃないかな。


12月19日まで。
休館日に関してはBross hair salonにお問い合わせをお願い致します。




この展示は「無人島プロダクション」開催の「サヴァイヴァル・ダンス」と平行して開催されます。
「サヴァイヴァル・ダンス」は9月24日―10月15日まで、月曜日休廊です。
詳細は公式ホームページをご覧下さい。

スポンサーサイト



theme : 美術館・博物館 展示めぐり。
genre : 学問・文化・芸術

comment

管理者にだけメッセージを送る

アクセスカウンター
カウンター
プロフィール

seina

Author:seina
FC2ブログへようこそ!

最近の記事
検索フォーム
最近のコメント
最近のトラックバック
月別アーカイブ
Blogram
blogram投票ボタン
カテゴリー
小さな天気予報

-天気予報コム- -FC2-
FC2ブログランキング

FC2Blog Ranking

QRコード
QR
ブログ内検索
RSSフィード
リンク