2011-07-02
山本現代「ヤノベケンジ個展「アトムスーツ・プロジェクト:大地のアンテナ」」を観てきました。

山本現代にて
「ヤノベケンジ個展「アトムスーツ・プロジェクト:大地のアンテナ」」
を観てきました。
ヤノベさんの作品は京都のウルトラファクトリー等で
沢山鑑賞させて頂いています。
いろいろな場所でお会いする度「トらやんのおっちゃんやでー」と
いつも楽しく接して下さいます。本当にありがとうございます。
今回は3月11日以降ヤノベさんの個展をじっくりみることが出来る大事な機会。
我が家は実は大事なイベント前日だったのですが
どうしてもと思い伺わせて頂きました。
今回改めて作品を鑑賞させて頂き
3月11日を境にヤノベさんの作品を鑑賞する際
私の感じ方は明らかに変わったなあということを
改めて実感することが出来ました。
京都には縁があり何度も訪れたことがある私。
六波羅蜜寺にも行ったことがあります。「空也上人像」も実物を見ました。
位の高いお坊さんが唱える念仏というのは
目に見えないけどとても猛烈に力のあるもの。
この猛烈な「力」を可視化したのが「空也上人像」です。
実際に観るとその姿がとても「自然」なことに驚かされた記憶があります。
お経が擬人化して僧の口から行列で出てくるなんて
ありえない設定のはずなのにでもなぜか「自然」。
すごく不思議でした。
見えないものを見えてしかも自然に可視化して
その存在をあたりまえにすることにより
絶対的な信頼を設定するというこのプロセス。
助けてほしい存在を可視化して自己の世界の中に取りこむ。
これってもしかして
「ガイガーカウンターで自ら数値計測」
に通じるものがあるのではないかと私は感じました。
放射能という見えないけれどにおわないけれど
どうしようもなく強い力を
数値という分かりやすい形に可視化する。
その可視化によって対策を考え対応する。
人は脅威や不安に対応するために知恵を絞り技術を使う。
このプロセスはもしかしたらずっと変わらないのかな。
私にとってアトムスーツから聞こえてくるメッセージは
3月11日を境に大きく変化しました。
今まではチェルノブイリという脅威に対して向き合っていた戦闘服
というイメージでした。そう、歴史としての戦闘服。
しかし3月11日後は放射能という敵に挑むための戦闘服というイメージに変わりました。
息子はヤノベさんとの再会に喜んだあと
アトムスーツでチェルノブイリの幼稚園に行った時の写真作品を
じっと観ていました。そして
「この幼稚園はどうしてこうなっちゃったの?戦争?」
とヤノベさんに早速質問。
ヤノベさんは「事故でみんないなくなったんだよ」と分かりやすく教えて下さいました。
ありがとうございます。その後作品を一緒に鑑賞しながら
いろいろお話もして下さいました。
そのやりとりを拝見しながら
「もしかしてチェルノブイリより事態は悪化する可能性もあるんだよな」
と思い再度作品をみつめると自分の胸が苦しくなりました。
親である私はこの子に何をしてあげられるのか。
私たちの世代は次世代に何を引き継ごうとしているのか。
今を深く、深く考えることが出来る空間になっています。
オススメです。ぜひ再訪したいと思います。

ちなみに息子が描いたヤノベ作品はこちら。
「トらやん」が「うそやん」に見えるのはまだひらがながちょと残念だからです。。。
そして彼は「アトムスーツ」と「トらやん」の違いがよく分かっていないのです。。
ヤノベさん本当に申し訳ありません。。。
最後にとても繊細な展示を楽しむ息子を見守って下さった
ヤノベケンジさん、山本現代のスタッフの皆様
本当にありがとうございました。

そして同じ時間帯に会場にいらっしゃっていた八谷和彦さんにもご挨拶することが出来ました。
ポストペットをずっと使っていた私大感激です!
モモちゃんがお風呂に入る様が大好きでした。
ガイガーカウンターミーティングのアーカイブは
ガイガーカウンターの購入を検討している幼稚園ママの知り合いに
ぜひ観て下さいと私オススメしまくっていました。

「八谷和彦の見せる世界のひろげかた「魔法かもしれない。」展」
のちらしをご本人から直接頂くことができ密かにすごく嬉しいです。
夏休み家族で必ず伺います!
7月30日まで。
月曜休廊です。
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theme : 美術館・博物館 展示めぐり。
genre : 学問・文化・芸術