2010-09-10
世田谷美術館「「ザ・コレクション・ヴィンタートゥール」こどもとデート」に参加してみました。

世田谷美術館にて
「「ザ・コレクション・ヴィンタートゥール」こどもとデート」
に参加してみました。
世田谷美術館は子供のアートイベントが多い場所という印象があったのですが
鑑賞のイベントは初めての開催なんだそうです。
ちょと意外でした。
少し早めに出向き手続きを完了。ホールで開催を待ちます。

他の美術館とものすごく違う点は
「鑑賞リーダー」という鑑賞する際にナビゲートしてくださるボランティアスタッフさんが
沢山いらっしゃったこと。
鑑賞リーダーとは世田谷美術館独自の制度です。
以下鑑賞リーダー制度とはこんな感じ。(世田谷美術館のHPより転載)
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鑑賞リーダー制度は1997年に発足し、当館の年間講座「美術大学」の修了生、
「美術館友の会」会員、博物館実習生など、毎年100名前後が活動しています。
登録して研修を受ければ、どなたでも活動できます。
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参加した家族は大体15組程度でしたでしょうか。
美術館での鑑賞マナーを確認した上で2組に分かれて鑑賞開始。
今回のこの展覧会は
スイスの小都市にあるヴィンタートゥール美術館のコレクション
だそうです。
スイスってどんなところ?と息子に聞かれて
「ゴルゴ13がお金をためてる国だよ」と説明した私って。。。
気を取り直して。
いくつかのコーナーに分かれての展示になっていますが
とても分類は緩やかです。なので行ったり来たりしてもそれほど目立たない。
この雰囲気って子供連れで鑑賞するにはとてもありがたいです。
構成はこんな感じでしたが子供連れの場合はこの通りにまわる必要はないと思います。
第1章 フランス近代?:ドラクロワから印象派まで
第2章 フランス近代?:印象派以後の時代
第3章 ドイツとスイスの近代絵画
第4章 ナビ派から20世紀へ
第5章 ヴァロットンとスイスの具象絵画
第6章 20世紀?:表現主義的傾向
第7章 20世紀?:キュビスムから抽象へ
第8章 20世紀?:素朴派から新たなリアリズムへ
とても面白かったと思う点をいくつか。
まず第5章の展示方法。
こちらはヴァロットンの力量をまざまざと見せつける構成。
水浴してる絵画と水浴してる彫刻を見比べることが出来ます。
この構成はものすごくいいです。
絵画に立体感を感じますししかも彫刻に風景を感じることが出来ます。
ヴァロットンの主張の明確な筆遣いを近くでじっくりと鑑賞出来たのもよかったです。
特に「5人の画家」(1902-1903年)はとてもよかった。
そして今回の目玉作品でもあるアンリ・ルソー「赤ん坊のお祝い!」(1903年)
では解説を聞くことも出来ました。
こちらはお祝いで描かれたものだそうです。だから「お祝い!」なんですね。
赤ん坊にしては力強すぎる風貌はお祝いの気持ちの暴走なんでしょうね。
そしてものすごく細かいタッチの筆遣いは印刷ではわからないものでした。
実際に拝見できて本当によかったです。
息子はどちらかというと好みの作品が少なかったせいか
最初のほうでは食いつきが悪かったです。親子で風景画や印象派が苦手なんもんで。。。
でも後半の現代美術系になってくると鑑賞リーダーさんも
いろいろ資料を見せて頂けたりしたのでとても深く鑑賞させて頂きました。
母子でとても印象深く鑑賞したのがパウル・クレーの「水脈占い師のいる風景」(1923年)
こちら色合いが淡い色中心でとても素敵。
市民コレクションだったということで
漆喰の壁とかにとても似合っていただろうなと想像できます。
そしてとても助かったのが鑑賞リーダーさんが出してくれた資料。
よくよく見ると猫とかいろいろなものが水脈として隠れていました!
きっとこの絵の所有者は来訪者が探す様を楽しんでみていただろうなと
想像したら楽しくなってきました。
約1時間のツアーということで1時間で一度外へでます。
そしてクヌギ広場で写真を撮りお気に入りの絵葉書を選び
後日プレゼントが郵送されてくるそうです。楽しみ!
鑑賞リーダーさんの資料つき解説がものすごく面白かったので
もう少しゆっくり観たかったです。
初めて観る作品にたいして特徴的なポイントを分かりやすく気づかせてくれると
子供も親もとても興味深く鑑賞することが出来ますからとてもありがたかった。
皆さんとても解説上手。私ももっと勉強しなきゃ。
ちなみに鑑賞イベントそのものが
「子供連れのお母さん」向けなのか
「子供」向けなのか
ちょとターゲットが不明確だった故進行にぶれがあったという点が参加し親としては少し残念でした。
初めての開催ということですし次回とても楽しみにしています。
10月11日(月・祝)まで開催です。
原則月曜休館です。詳細はホームページでご確認下さい。→★
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theme : 美術館・博物館 展示めぐり。
genre : 学問・文化・芸術