2010-08-27
瀬戸内国際芸術愛に行ってきて鑑賞者として感じたこと(その2)




次に今回の舞台である「島」についてです。
今回私達は3つの島をめぐりました。
女木島と小豆島と豊島です。
3島それぞれの反応があるのかなと思いきや
それぞれの島にそれぞれの事情があることが少しですが見えてきました。
女木島では乗車時「こんにちはー」と挨拶をした息子にバスの運転手さんが
「可愛いのー!女木島に住まないか?この島には子供がおらんのよ」
とニコニコしながら話しかけてくれました。
小豆島では作品の場所が分からず右往左往している私達に
商店のおばちゃんが地図をみながら場所を教えてくれました。
豊島では「うらら」という島で採れた作物やお魚や野菜を使ったお料理を頂くことができました。

うららの情報はこちらで!ほんまに美味しいですよ!!!
今回色々な情報が飛び交っていたのでまず自分の目で確かめようと思い
受付のこえびの方に積極的に話しかけてみました。
こえびの方でも芸術祭にいろいろな考えを持っている人がいました。
「芸術祭っていっても島の人はいろいろ感じているんだよ。
お願いだから島の人をみたらこんにちはって自分から言ってね」
と息子に何度も念を押しておられたこえびの方もいらっしゃいました。
今回の芸術祭においては色々な立場の人がいろいろな感情を持っているのだなと
改めて感じる時が多々ありました。
各島では高齢化が急速に進んでいると聞いています。
時の流れはどんなに大金を投じても止めることは出来ません。
島を訪れる人、島に住んでる人、島で表現する人それぞれが
協力して活性化を図るにはどうしたらいいか
それぞれがまず行動をはじめないと島が高齢化の波に飲まれてしまいます。
私はあくまでも来島者でしかないので来島者が出来ることを考えてみました。
島の復興、活性化という目的が今回の芸術祭でも掲げられていますが
そのような趣旨を掲げるのなら芸術祭だけではなく芸術祭以外のものに
鑑賞目的で訪れた来島者が積極的に触れていくべきだと思います。
だから高松から船で島に向かい最終で退去して帰るのではなく
出来ることなら島に泊ってほしい。
小豆島よかったですよ。小豆島か直島なら宿泊施設は探せると思います。
芸術祭間は直島が苦しいかもしれないけど。。。
そして宿泊した朝、鑑賞前に島の空気や海や山を感じてほしい。
その島の朝ご飯を沢山食べてほしい。
そして島の人(宿泊先の人)と色々な話してほしい。
もしそれが日程的や予算的に厳しいのなら島のお店で買い物をしてほしい。
芸術祭のお店を見たら島のお店も行ってほしい。
島の名所や名産品の場所にも行ってほしい。
ちなみにそのためにはもう少しPOSシステムが普及していてほしかったです。
魅力的なお土産沢山ありましたが現金しか使えない場所がかなり多かったんで
島で思う存分お土産を買えなかったことが残念でした。
スタンプ押して作品をぼーっと見てすぐ次へ!を繰り返して
フェリーの時間にあわせてお土産屋さんを素通りして乗り場へ駆け込む。
これではあまりに悲しいと思いませんか。
島全体を楽しんでいくのが「島の活性化」ではないかと改めて思うのです。
芸術祭は「最初の出会い」であってほしい。いやあるべきです。
島を楽しみながら島と鑑賞者と作家と運営者が
新たな場を作ろうとしてるきっかけが芸術祭であってほしい。
芸術祭が終わってもこの新たな場はずっと続いてほしい。
だって恒久展示のものも多いのですから芸術祭が終わっても
感動の交流の場は続けることも出来ますよね?
その場を続けるにはまず自分が何が出来るのか。
来島者である私が出来るのは「家族で島に行く」という行動を続けることかなって思っています。
息子は今回2日半車を使いながらですが炎天下の中よく頑張って歩きました。
私は親ばかモードで息子を入れた写真を沢山撮りました。
恒久展示も多いのでまたぜひ瀬戸内は行くつもりです。
ご飯も美味しいし、豊島美術館は絶対に訪れたいし。
その時も沢山写真を撮りたいと思います。
そして息子があと10年後?15年後この写真やこのブログを見て
「僕はこんな島でこんな素敵な体験をしたのか」と思い
「また行ってみたい」と感じてくれるかもしれない。
そして実際に行ってみて「ここで生活してみたい」とか思うかもしれない。
そんなことがきっかけの移住もありではないかしらと思うのです。
そういう人が実際何人いるのか!って言われたら反論できないけど
でも実際に島に行ってみて産業や特産物を覚えて食べてみたりして
東京のスーパーでその特産物を見かけたら思わず買いたくなりますよね?
小さなことではありますがこういうことの積み重ねが交流を活性化して
それが島の活性化を持続させることに繋がるのでは、繋がるといいなと思いました。
これから瀬戸内を訪れる方はぜひ島そのものも楽しみにして頂きたいです。
本当に楽しいですよ。
スタンプを押すことだけに集中するのはあまりにももったいないです。
恒久展示も多い島もあります。あせらず余裕を持って島全体をゆったりと楽しみましょう。
豊島や小豆島でお世話になった人に今週末にお手紙を書きたいと思います。
息子の不思議な抽象画をつけて。
さて次は4歳児連れで芸術祭をいかにして楽しんだかをまとめておきます。
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theme : 美術館・博物館 展示めぐり。
genre : 学問・文化・芸術