2010-01-07
神奈川県立近代美術館 鎌倉「内藤礼 すべて動物は、世界の内にちょうど水の中に水があるように存在している」を観てきました。
お正月ももう終わりですね。ちなみに来週家族旅行に行きます。
そして旅行終了後は日常が始まってしまいます。
入園前の手続きが色々始まります。忙しいです。
というわけで今日しかないんじゃなかろうかと思い
神奈川県立近代美術館 鎌倉にて
「内藤礼 すべて動物は、世界の内にちょうど水の中に水があるように存在している」を観てきました。
いつも拝読させて頂いている
美術ブロガーさん達がこぞって絶賛してるこの展示。
しかし内藤さんの展示は直島の「きんざ」に代表されるように
自分と向き合う姿勢が要求される作品。
(つまり子供が観るのはちょと・・・という作品。「きんざ」は年齢制限あり)
果たしてうちの子観れるのかなあ。。と思いながら
美術館の告知を何度も読み返し子連れNGでないことを確認。
一番空いていると予想される日に行くのが
自分たちにとってもよいだろうと思い
正月休み明けの平日の昼前に
電車を乗り継いで鎌倉までやってきました。
1月上旬という天気なのになぜかとても暖かい。
お散歩するには最適です。
受付でも子連れで大丈夫かどうかを再度確認していざ入室。
お客様少なめ。本当によかった。まずは2階。
「地上はどんなところだったか」
こちらは本当に作り込んである作品。
暗闇の中での等間隔のゆるやかな明かり。
その明かりに照らされる数々の布。
暗闇の教会の中を歩いている様な気分。
結婚式じゃないな。お葬式に参列してるような感覚。
注意しなくても私も息子も静かに鑑賞していました。
2つのガラスケースに入ることが出来ます。息子も入りました。
息子曰く後に入ったほう(入り口に近い方)が断然面白かったそうです。
理由を聞くと
「入る時の温度が全然違ったからだよ。
ぼくとおかあさんが動いているのが温度で分かるからだよ。」
確かに。
こちらのガラスケースは裏口のような場所を通ります。
コンクリート打ちっ放しの場所なのでとても寒い。
そこを通ってガラスケースに入ると暑い。
明かに空気が動いているのが分かります。
この展示は今の季節を狙って考えられたんだろうな。きっと。
作品を構成する1つ1つのミクストメディアを
ぼうっと見つめているうちに
気がつくと随分時間が経っていました。
息子はガラスケースを通った後に
ふあふあと風船が動くことがとても楽しかったそうです。
人によって動き方が変わる。その度作品も変わるとのこと。
私は自分が洋裁をするので
置かれた布やリボンがとても興味深かったです。
どうしてこの布がここにあるのかなと考えるこの行為は
遺品整理のような感覚になりました。
という感じで第一展示室を存分に堪能した後に飛び込んだ第二展示室は。。。
息子にとってはカウンターパンチだったようです。
頭の上にはてなマークが出てきていました。
もちろん私も。。。この部屋は難しかった。
「お土産」で気持ちは穏やかになりましたが。。。
そして1階へ。
流れたゆたうリボン。
しずくのようにきらめくビーズ。
池の上でアーチを描くリボン。
そして思わず微笑んでしまうようなボタン。
1階のほうが子連れ鑑賞としてはかなり大変な感じ。
作品鑑賞に慣れていない子供だったら絶対に触る。
正直私もドキドキしてしまいました。
本人が作品を認識してくれたので大丈夫でしたが。。。
お子様連れは1階のほうが要注意です。
ここで「精霊」を観ながら作品配置の紙を観ている私に息子から質問。
息「おかあさん、これは何で出来てるって書いてあるの?」
私「リボンよ」
息「(「無題」のガラス瓶を指さしながら)じゃあこれは?」
私「水とガラス瓶よ」
私「(観たら分かるでしょー何言ってるのかしら)」
息「なんかつくった人(作家さん、つまり内藤さんのこと)ずるいね」
私「???」
息「だってこれは風や池や太陽も一緒になってる作品だよ。
なのにそれを書いてあげないなんて。
みんなで作品にしてるのにねえ」
私「・・・・」
屋外作品については風や太陽や池も仲間に入れてあげなきゃ!という主張。
うーそうくるとは思わなかった。
ずるいわねという結論にする訳にはいかないので
仲間はずれにしたんじゃないんだよとは言いましたが
うまく返答出来ませんでした。
その後特に触れてこなかったので彼の思いつきなのかもしれませんが。。。
もしかしたら彼が一番この空間を楽しんだのかもしれません。
ちなみにカフェもとても素敵でした。
プリン、ものすごく美味しかったです!
鎌倉まで足を運んで本当によかったです。
1月24日までです。お早めに。
おまけ:
本日の入浴終了後風呂中の桶やおもちゃのバケツに
お湯をギリギリまで溜めて風呂場に本人の思う配置で置いておりました。
本人が「作品なの!」と熱弁していたので今日のところは
展示を継続することに致します。
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theme : 美術館・博物館 展示めぐり。
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