2018-10-19
A+ WORKS of ART「Lopung Is Dead! – Pangrok Sulap's Inaugural Solo Exhibition」を観てきました。

A+ WORKS of ARTにて
「Lopung Is Dead! – Pangrok Sulap's Inaugural Solo Exhibition」
を観てきました。
やっと少しずつ色々な場所に足を運べるようになってきました。
今回は木版画。
私の中でのイメージとして木版画って小学校でやるでしょう的なものなのですが
東南アジアでの木版画というのはとても政治的な意味を持っています。


木の板とナイフという身近な材料で誰でも制作でき、何枚でも複製が可能な木版画。
基本文字を入れずビジュアルなので表現の可能性は無限大。
木版画とは20世紀初頭の東南アジアにおいては植民地時代から今日の反グローバリズム運動までを自身の表現で伝える特別なメディアだったのです。
何枚でも刷れる、移動も容易、そして遠隔地の人々と連帯することができる。
まるでいまのインターネットにおけるTwitterのようなメディアの役割を担っていました。
ちなみにうちの息子さんは小2で日本を離れたので図工の授業で木版画を体験したことはありません。
彼は以前シンガポールでインドネシアの作家に彫刻刀の使い方を習ったことがあるだけ、パンク!
2015-02-03
ART AFTER DARK AT GILLMAN BARRACKSに行ってきました。
木版画での表現は、東南アジアにおいてはとても熱を感じるメディアだったのです。
という知識を念頭に入れて作品を拝見。
こちらはサバ州のコミュニティアート集団であるPangrok Sulapの作品とのこと。
彼らはとても物議をもたらす作品を作る集団。
この大型作品は以前展示されたのに「あまりに挑発的」って苦情が言われて展示を取り下げられた作品なんだそうです。
え!取り下げかよ!って思ったのですがそこで、他の展開で展示が出来るところがマレーシアらしいと思います。
この大萱作品は2枚の版画で構成され、腐敗、農村の貧困、不平等な開発、土地問題、違法伐採、無国籍コミュニティなど、
サバ州とマレーシアに関する問題を描いています。

Pangrok Sulapは2010年に結成された比較的若いグループ。このアーティストグループ名は「パングロク・スラップ」ですが「パングロク」はパンクロック(そのままかよ)、「スラップ」は田舎の言い方で農家小屋という意味との記載が。つまり「パンクな農家小屋」ですね。
現在男女混合で15人のメンバーがいるそうです。

現在のマレーシアの状況に対するパングロク・サラップは挑戦を続けています。
「ウラル・ラリ・ルーラス(Ular Lari Lurus)」シリーズでは、マレーシアの政治家とその虚偽の虚偽を描いたヘビとはしごの試合を描いています。

このシリーズは、実はどんどん成長しています。政治的な動向やスキャンダルがどんどん付け加えられているのです。
まさに、政治的歴史な物語を語る作品と言えるでしょう。
今の政治に対して、世の中に対して言いたいことを表現し、そしてその表現の場がある。
これは実はとても幸せなこと。
そしてインドネシアのジャカルタにも行く機会が増え、インドネシアという国に更に親近感を感じています。
根っからのポジティブマインドとパッション。
彼らが発信するアートからはいつも元気をもらえます。
次回はワークショップも参加予定。
楽しみです。
10月27日まで。
詳細は公式FBページをご参照ください。
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theme : 美術館・博物館 展示めぐり。
genre : 学問・文化・芸術