2018-09-25
ワタリウム美術館「 梅沢和木 × TAKU OBATA 超えてゆく風景」展を観てきました。

ワタリウム美術館にて
「 梅沢和木 × TAKU OBATA 超えてゆく風景」展
を観てきました。
カオス*ラウンジというのは私にとって興味はあるけど
縁のないアーティスト集団でした。
ちょうど活動が活発化したのが
私が日本を離れた時と同時期というのも関係して
なかなか実際に作品を見ることができませんでした。
今回弾丸一時帰国の中でちょうど時間ができたので
ブッコムぞ的な勢いで訪問したのですが。。。

とても特別な体験ができました。
恥ずかしながら
「なぜ写真撮っちゃいけないのか」
実際に作品を見るまでわかりませんでした。
梅木さんはインターネットの画像を大量に集めて
そこにアクリル絵の具などで加筆を行い
自分の世界観で再作成する手法。
近くで見ると「ああ!これは○○だね!」がいっぱい。
こりゃ確かに撮れないね。

そしてこのコラージュの世界。
私はとても見覚え、というか感覚的にわかる部分があります。
現在マレーシアで暮らす私。
学校も英語、日常生活も聞こえてくるのは
英語、中国語、マレー語です。
そこで聞こえてくる言語を
注意深くチューニングして
なんとか情報を集めています。
しかし。
日本に一時帰国すると様子が変わります。
特に飛行機を降りた羽田空港からタクシー乗り場まで。
私の頭はちょっとした混乱状態になります。
マレーシアだとチューニングしないと頭に入ってこない
様々な情報が
日本になるとこちらに御構い無しに
どんどん脳内にぶち込まれて行きます。
こんなにいらない。。
っていうか訳がわからないのに
勝手に入ってくる情報が本当に多い。
これは
私の思考が日本語であること
日本語以外の言葉だと考えないと入ってこないこと
日本語の情報だと考えないでも入ってきてしまうけど
でも今日本にいないので情報を正規の形にキャッチできないこと
が原因だと思われます。
正直、帰国して2日目くらいまでは
脳内が混乱状態になります。
そう、こんな感じに。

展示に足を踏み入れた時、
「ああこれって帰国した時の私の脳内」
って瞬時に理解しました。
そしてこれがずっと続くって。。。
(梅木さんの作品は会期中随時追加されていくとのこと)
うわああああああ
と改めて別の混乱を実感しました。
そしてTAKU OBATAの彫刻作品。
ダンサーであるのにデフォルメ部分につい目がいってしまう
この不思議なスタイルは
このダンサーが現実に踊り出すのではなく
このダンサーが存在するデフォルメと実在の世界が
混在する世界に自分が引き摺り込まれたような感覚に陥ります。
そう、この混在感は
自分がコントロールできない混乱に
身を流されるような感覚。
東京ってとても情報過多だけど
情報が流れていく感がすごく強い。
そして流されていく自分を
諦めの境地に流していく空気がある。
ああ、このまま自分も流されて無くなってしまうのかな感覚。
このように感じるのは
私が(日本で育った)日本人だからなのか
この展示を(今、様々な意味で流れている)東京で見ているからなのか
短い時間では私の中で結論は出ませんでした。
でも
あの帰国時に猛烈にくる脳内混乱を
心底わかってくれる人に出会えたような
安心感は予想外の体験でした。
そして
私は情報のチューニングの変化で
ああいう混乱が脳内発生すると思っていますが
もしかしたらああいう脳内混乱て
結構色々な人に発生してるのかな。
そして悩んでる人多いのかな。
展示を堪能させて頂いていた際
「(なんかわかる)安堵感を持った笑顔」で
楽しんでいる方がいて
勝手に仲間意識を感じていました。
これからも注目していきたい作家さんが
また一人増えました。
忙しい日程だったけど本当に行ってよかったです。
12月2日まで。
原則月曜日休館。
詳細はWEBサイトをご参照ください。
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theme : 美術館・博物館 展示めぐり。
genre : 学問・文化・芸術