2018-05-01
Japan Creative Center 「感0 - KANZERO An Exhibition by wataboku」 を観てきました。

Japan Creative Centerにて
「感0 - KANZERO An Exhibition by wataboku」
を観てきました。
WATABOKUさんと息子。仮面かわいい。

CLEAR EDITION & GALLERY の中牟田洋一さんが
「4月に面白いことやるよ」と以前囁いて下さっていた展覧会。
ちょうど息子の試合の週だったので訪問することが出来ました。
今回はWATABOKUさんの展覧会を中心に
シンガポール人で香港を拠点に活動中のMuji Monsterさん、
フィギア作家として有名なShigeki Kobayashiさんとのコラボ作品もありました。
WATABOKUさん。正直名前は存じ上げていなかったのですが
作品を見ると「あ!観たことある」。
本の表紙なども手がけておられますね。
今回の「感0 - KANZERO An Exhibition by wataboku」。
最初はシブカル祭りのような
「ファッションアイコン的な感じなのかな」
と思っていたのですが。。


あれ。

なんか思ってたんと違う。
通常このような「女子高生」をテーマにした作品群の際、
同じ女性としてなんとなくほんの少しの嫌悪感みたいなものを
感じることがあったんですね。
でもそれはしょうがないことだと思うし、
そもそもそういうものだろうと思っていたんですね。
でもなんか今回は違う。
この爽快感はなんだろう?
なんでなんだろう?

今回訪問できたのは Muju Monsterさんとのアーティストトークでした。
その謎も含めてきっと面白い話が聞けるなあとワクワクしていたら。。
予想以上に面白かった!
作家専業ではないWATABOKUさんは
「専業ではない自分」をとても有効に活用されていて
作品に取り組む際自分の感覚をリセットする
(感覚をゼロにする)ことを意識されているそうです。
タイトルの「感ゼロ」の由来はそこ。
ちなみにWATABOKUとは仕事上の私、デザイナーの僕
をあわせてだそうです。
兼業作家であるスタンスをポジティブに捉えるその発想は
なかったなあすごいなあと思いました。
フォトショップでまとめられた作品制作の過程は
息子も釘付け。「産まれる」ってすごいなあと改めて。
そして。
質疑応答になり1日のスケジュールとかを
とても正直に話しておられて(ちょとびっくり)
楽しいやりとりだったのですが、
ある女性の質問に会場の一瞬空気が張り詰めました、
「なぜ女子高生ばかりを描くんですか」
昨今の日本の相撲協会の行動など
日本における女性差別のあり方などが
英語で語られることが増えています。
正直個人的に恥ずかしい想いもしてきたのでこの質問に
女性に対しての偏見のようなものがないですか?
という抗議的な雰囲気を感じた私は少し緊張したのですが。。
WATAOBKUさんは予想外の話を始めました。
高校生の時、WATABOKUさんには
憧れのクラスメイトがいました。
彼女は不良ではなかったのですがとても変わった世界観を持っていて
クラスのみんなからもとても不思議に思われていたそうです。
naughtyとはまた違う感じのようです。
----------------
naughty;いたずら(好き)な、わんぱくな、言うことをきかない、いたずらで、わんぱくで、きわどい、みだらな、わいせつな
----------------
彼女はとても強い眼差しを持っていて、
その眼差しがとても印象に残っているとのこと。
WATABOKUさんは
「ぼくの作品のモデルはその彼女と言えると思います。」
と話されていました。そして最後に
「ぼくは彼女をとても尊敬しています」
とコメントされて
あああああああこれかああ
と気がつきました。
WATABOKUさんの作品に描かれてる
女子高生に対しての「心の底からのリスペクトの感覚」は
絵を拝見しているとすごくちゃんとわかります。
私も(女子力ないけど)同じ女性だからかでしょうか。
だからこの爽快感なのか!!!
中牟田洋一さん曰く
「彼の作品はアジアの女性にすごく人気なんだよ」
と言われた理由がわかります。
そうなんですとてもリスペクトに溢れているんです。
だから女性としても観ていてとても気持ちいい気分になる。
アジアでは日本の「女子高生」というファッションアイコンは
いい意味でもあまりよくない意味でも普及しています。
今回のWATABOKUさんの作品には尊敬の念が溢れているから
一線を画しているのだなと改めて思いました。
ちなみにそのクラスメイトとは今でも仲良しだそうです。
素敵なお話でした。

WATABOKUさんは今回アジアツアーということで
インドネシアなども回っておられるそうです。
来月にもシンガポールの別のギャラリーで展示があるとのこと。
楽しみです。
JCCの展示は5月12日まで。日曜、月曜休館です。
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genre : 学問・文化・芸術