2017-02-25

エディケーションとかラーニングとか、「そこに愛はあるのかい?」




「ひとつ屋根の下」ですよ。覚えていますか?


最近、日本のアートシーンで
美術教育や美術館教育について
様々なシンポジウムが行われているようです。
自分が一番興味がある分野なので
Macbook Air の画面に穴があくほど
読み込んでいるのですが


やっぱりよく分からないですね。


「美術館教育は人々がそれぞれが楽しめるようになったら終わる仕事」
と(存じ上げていないんだけど私が勝手に尊敬している)学芸員さんが
書いておられました。
「個人は成長しても社会は世代交代していくので、教育普及活動の必要性はなくならない」
とも書いておられてさすがだと思う反面
そもそも美術館って教育されに行くんだって概念で
入らなきゃあかんものなのかが
未だによく分からないんですよ。私。


それは私の中で美術館に教育という概念が
ものすごく薄いからかもしれません。


文化芸術においては
まず鑑賞者はその存在そのものとそこに共存した事実を
楽しむことから始めていいのではと思うんです。
私はそこに教育というより救済というか「愛」を感じるんですよね。


日本語的には教育とは言わないのかもしれない。
でも教育って負の環境や環境、例えるなら貧困や心が風邪をひいた時など
救ってくれるものですよね。


よく私は「なんでお子さんが美術や文化芸術の話を熱心に聞けるのですか?」
と聞かれるのです。
質問して下さった方に話を聞くと「うちの子は全然興味を持ってくれない」
とのこと。なんで、Seinaさんのお子さんは聞けるようになったんですか?


私は大真面目に答えます。
私がダメ母だからですよって。


私は子供を預ける環境になかったのと
友達が全然できなかったので
出かける場所がなくて、美術館に行き始めたんですね。
ここがダメだったら行き場所がなかったんです。
公園も怖かったし、幼稚園も小学校もママ友とか怖くて作れなかった。
本当に怖かったです、でもそれは私が一般的な視点から見たら
ダメ母だっただけなんですよ。
だから違う視点から見たら全然おかしくない!
だからその視点を深めたい!


そこから私の子連れ美術館巡りが始まりました。
この真剣さは息子にも十分伝わっていたと思います。
お母さんを助けてやるか。
きっとそんな気持ちで見てくれていたでしょう。


そこには教育とか学習とかいう意識はなかった。
愛ですよ愛。


そしてその救済の愛から
純粋な面白さを見つけられるようになったのではないかな。
文化芸術、科学技術それぞれですけど
熱心に聞ける子供って別に頭がいいとかより
「愛を見つけられる」観察力があるのではと思うのです。


大学のシンポジウムとか
専門的な企業プロジェクトにおいて
学問的な分析や展望はもちろん必要なこと。


でも実際に美術館に足を運んでる「普通の人」は
そこに愛を求めて、愛をみつけられたら
第一段階は満足なんだと思うのです。。


この愛ってのは
展覧会や作品を楽しめるという学習の愛
一緒に行った人との会話が楽しめたという体験の愛
一緒に行った人が楽しんでくれたという実感の愛
ひとりで行ったけど楽しかったという経験の愛


展覧会には様々な愛を見つけることで
人生を救われるような場合があるわけで
その愛の種まきをしてくださる
作家さんやキュレーターさんには
もう感謝しかありません。
まじで人生救って頂いたと思っています。



そして学問的や経済的に専門的に関わる人に
そこで見つけた「愛」に救われた人がいるという
すごくシンプルな達成感から楽しんでる鑑賞者がいることを
見落とさないでほしいなあと個人的には強く感じています。
まさに「そこに愛はあるのかい?」ですよ。


そこに気づいて頂けるか否かで
高度な段階がものすごく「降りてきてくれる」感じがするんです。


ここを高度なことを議論してる皆さんが
この「単なる鑑賞者」の小さな達成感から感じる「愛」を
もっと「わかってるよ」感を出してくれたのなら
子供の手を引いて美術館に行く親は
もう少し緊張しないでいけそうな気がします。


まず、楽しんでいいんだって。
まず楽しみたい、楽しかったねっで帰りたい。
私たち、単なる鑑賞者はまずそれで笑顔で帰りたいんです。
だって、文化芸術に触れて、親子で笑顔で帰るって
最高に楽しい体験ですもの。


私はきっとずっとダメ母のままでいて
ずっと美術館の様々な愛を見つけ続けていきたいと思います。
これは人として成長してない証なのかもしれないけど。
でも、本当に楽しいので続けていきたいです。
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