2014-04-09
waitingroom「柴田祐輔 個展『BGM』」を観てきました。

waitingroomにて
「柴田祐輔 個展『BGM』」
を観てきました。
先日、家族でアンディ・ウォーフォール展を再訪してきました。
その際やはり印象に残ったのは
「将来、誰でも15分は世界的な有名人になれるだろう」
という言葉であります。
この言葉はインターネットによって劇的に
印象を変えました。
そして誰でも世界中に情報発信が可能である
SNSが浸透している今には
また違った印象になっています。
映像作品というのは
平面作品や立体作品とはまた別な
独特のエネルギーを感じます。
映像という乗り物に乗せてしまえば
とりあえずどこまでも届くというような
独特の強みとでも言いましょうか。
今回の「BGM」展はこの強みをとても上手に活用していると感じます。
そしてこの「映像で私達が受ける印象」というのは
強烈かつ同時にとても危ういものだと感じます。
人は視覚から強い印象を受けます。
そしてその視覚の印象はその人の蓄積されてる元情報に強く左右されます。
つまり視覚からの情報+元情報により
そこに事実と異なる媒体が産まれるわけです。

例えば。
私はお話を伺うまで
2つの作品に出演していた男性が
作家の柴田さんだと思い込んでいましたが。。違いました(^^;)。
このように目からみた情報というのは
情報だけではなくて
観ている側の情報も加味して変化していくんですよね。
情報過多で誰もが発信出来る側になる昨今
誰もが発信される側になり
変化した情報を発信される可能性
があるんですよね。
これは正直恐ろしい。。。
虚構と現実が交じる映像の一人歩きの恐ろしさを
じわじわと感じさせる
とても深い空間になっていました。
私が密かにガクブルする中
息子は映像の混沌さや
段ボールで作られた車を楽しんでいました。
音の交じりあいも全く気にしていませんでした。
確かに現在生活している中で
純粋に音が交じらない場所なんてないですよね。
意識をしてる自分のほうが
存在しない楽園を探し続けて
年老いていく一昔前の人間なのかなとか
色々なことを考えました。
子供とこのような映像作品を鑑賞している際
いつも感じることがあります。
私は個人情報発信が難しかった時代と
誰でも情報発信が出来る現在
両方知ってます。
でも子供は今の時代しか知りません。
その「今しか知らない」は
下記のどちらなのでしょうか。
1:目の前の発信が世界に通じてる事を知らない
2:目の前の発信が半径100mにしか伝わらなかった時代を知らない
今、ティーンエイジャーの子は1だと思うんですが
現在10歳以下の子って2を知らないんですよ。
このような映像作品の作成過程(ネットで車を調べたりしてますよね)
そういうのが当たり前であって図鑑とか百科事典を逆に知らないんです。
10年後とかどうなるんでしょうね。
楽しみであり、とても恐ろしいです。
何が恐ろしいって自分がその映像の力を理解出来るかどうか
自信がもてないのが恐ろしい。

それは久しく観ていなかったお笑い番組を観た時
まわりの若い人が笑っているのに
自分が全く笑えなかった時の恐ろしさに似ているような気がします。
非常に見応えある空間です。
ぜひ足をお運び下さい。
4/20迄。
会期中オープン時間:月曜 17~23時および金・土・日 13~19時
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theme : 美術館・博物館 展示めぐり。
genre : 学問・文化・芸術