2013-06-29
ミヅマアートギャラリー「宮永愛子展「house」」を観てきました。

ミヅマアートギャラリーにて
「宮永愛子展「house」」
を観てきました。
どうしても見に行かなくては!行きたい!と
熱望していた展覧会。
やっと行くことが出来ました。
実はこのギャラリーがある駅で
私は大学に通っていました。
そして数年後結婚した私は
同じ駅で外資系企業で契約社員として
働いていました。
当時も沢山のいろいろな葛藤がありました。
今となっては笑い話に出来ることも
当時はこの世の終わりのよう気持ちで向き合っていたのが
昨日のことのように思い出されます。
その時の私は
将来の自分に小学校の子供がいて
その子が学校に行ってる間にギャラリー巡りをしてるなんて
想像すら出来ませんでした。
その時深く深く悩んでいたから
今があるって今となっては解ります。
そしてあの悩んだ時の気持ちが
二度と帰ってこないことも。

この「house」では
時の流れ、変化を深く深く感じることが出来ました。
ナフタリンという消えてしまうものを題材として
制作されています。
すぐに消えてしまうのではと思っていたのですが
今回の作品は少しスタイルが変わっていました。

持ち主が椅子の足元の青いシールや
靴に繋がる小さな穴をふさいだシールを剥がすと
何十年、何百年とかけて、抜け殻の彫刻にかわるんだそうです。
固められた樹脂の層と気泡。そこに存在する経緯を感じさせる時間。
それはその閉じ込められた作品のモデルの「歴史」まで感じることが出来ます。
モデルとなった品々は靴や椅子などとても日常的なもの。
ちなみに未使用品ではなく誰かが使っているものなんだそうです。

子供の靴や時計等は
子育てしている私にとってはぐっとくるものばかり。
特に「靴」と「本」には心が鷲掴みにされました。
「子供の靴」「児童書」というのは
一瞬で形を変えてしまうものなんです。
それは子供の成長であったり
成長に伴う際のアクシデントによる破損であったり。
正直原型をとどめていることは殆どありません。
児童書も同じ本でも子供によってお気に入りの箇所は違います。
なので子供それぞれに痕跡が残る場所が違うんです。
でも子供のそういうグッズって
本当にすぐに消えてしまいます。
実質的には消えてしまうんだけど
でも私の中には確実に存在しているんです。
無くなったから、変わってしまったからこそ
自分の中で確認出来るんです。

なので今回のこの樹脂に閉じ込めたナフタリンの姿の変化は
子供の成長によって消滅した存在に対する寂しさと
消滅によって確実に認識出来た心情的なものを
象徴しているような気がして
なんだか胸がきゅんとなってしまいました。
ちなみに今回のこの作品スタイルだと
空気に触れる面が少ないので
ナフタリンが消えるのはかなり時間がかかるとのこと。
椅子の作品等は100年近くかかるのではと
スタッフさんに教えて頂き思わずえっと声をあげてしまいました。
つまりこの作品の中には
作品のモデルとなったモノ、そしてそれに関わるヒトの過去
穴をふさぐシールをはがすという行動の再認識
存在のみを再認識する未来
という猛烈な時の流れがあるということです。
とても感銘をうけました。
おススメです。
ぜひ足をお運び下さい。

国立国際美術館での「なかそら」展公式カタログ兼作品集も
拝見する事ができました。
こちらは青幻舎から販売中です。
![]() | 宮永愛子作品集 空中空(なかそら) (2012/12/10) 宮永愛子 商品詳細を見る |
展示後半になると作品に変化があるかもという
囁きも伺えたので
ぜひまた再訪したいと思います。
ありがとうございました。
8月3日(土)迄。
日・月・祝日が休廊です。
詳細は公式ホームページでご確認下さい。
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これから色々作っていきます。
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Facebookで何が出来るかまだ試行錯誤ですが
せっかくなので色々やってみたいと思います。
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