2013-06-22

「美術館に子供連れでいくということ」についての雑感そして未来への提案。

さて、このブログをここまで続けていると
沢山の体験をさせて頂きました。
そしてよく質問を頂くのが



「子供に「美術に楽しく接してもらう」にはどうすればいいと思いますか」
「日本の美術館は子供連れにどのように対応したらいいと思いますか」



うむむむ。
まずは去年大好評だったエントリーを。


2012-07-11
この夏美術館に行くあなたへ。


そして別の原稿整理で頭から湯気が出ていた時に
なんだか書きまくったtweetがあったんでせっかくなのでまとめました。
この最後に書いた提案、マジでどっかでやってみたい。
どなたか協力して下さる美術関係者の方、ぜひご一報下さい。



美術館に対しての敷居の高さを感じるかどうか。
これって子供の時にどんな人と行ってるかどうかって大きいと思います。

例えば親が
「美術館は騒いでは行けない場所。大人が行く場所。頭のいい人が行く場所!」
と話し続けそれに刷り込まれると子供は「美術館は子供は行っては行けない場所」
って刷り込まれる。
そういう子供が学生になったらそりゃ行かないですよね。

私はそういう親を責めたくないです。
子供の行動が発端で見ず知らずの人に罵倒された経験がある人なら
そういう恐怖心は私には分かります。
だから美術館側にはイベントとかより

行きやすい場所としての環境作り
極端な言い方すれば「行きやすい日」

を別枠で作るとかしてほしいです。
美術館を高尚に楽しいたい人が
美術館側にとっては一番の上客なんだから
そういう人とそうでない人を分ける
というのが一番現実的な集客でしょと思います。


私が子連れで美術館に行き始めたのは
子供が1歳前ぐらいからでした。
なぜかと言えば
公園で子連れでお母さん達と交流しながら過ごすってのが
どうしても耐えられなかったからです。
いわゆるママ友付き合いが苦手だったんです。

ぼっちってやっぱ辛いじゃないですか。
でもずっとウインドーショッピングする程の買い物欲もない。

そこで私は考えました。

美術館だったら赤ちゃんと一緒のお母さんがぼっちで来ても
別に見た目おかしくないじゃん。

実はいうとこんなくだらない理由で
私は美術館に子連れで通い始めたのです。
幸い息子は比較的順応してくれたので結構通えました。
まあ失敗もありましたがでもそれほどの大失敗はなかったです。
息子は新美の廊下で歩き方を覚え
サントリーの階段で階段の上り下りをマスター
と言っても過言ではありません。


このように
美術館って「個」を受け入れてくれる懐の深さがあると思います。
この「個を受け入れる」というのは
既に「ひとり行動大好き!」っていう人が対象ではありません。
この(ぼっちな状況をちょと気にする自分)のような
「個を受け入れる」懐の深さというのは
美術館ならではだと思うのです。
行けば行ったで
見て行くうちになんか学んだ!というパワーも頂けますしね。
これはこれから独り身家庭が増える昨今
すごく注目すべき点だと思うんだけどどうでしょう。



じゃあ子供を連れていくにはどうしたらいいのか。
子供向けサービスを狙うか。イベントを狙うか。
でも大体キッズワークショップって予約制。
そして決められた日に発熱する子ってのはいるんですよね(^^;)。
親はその度に凹むわけです。
そしてここ一危機感感じてるのですが
美術館が求めてる「キッズワークショップ」は

「美術館が求める鑑賞が出来る子供」を対象にしてるんですよね。

そして美術に触れさせてみたいからぜひ連れてきたいけど
とてもじゃないけど連れて行けない親は
「自分の子は静かに鑑賞出来ないから」と諦めてるのが現状。
つまりキッズワークショップに来るのは大体同じ顔ぶれなんですよね。

この状況は特定応援者育成にはなりますが
美術館の敷居を下げる活動には直結していません。
ふつうの親が美術館で求めてる家族での体験というのは
「その場限りの隔離された場所での体験」もいいんだけど
「次回は親子だけでも行けるような意識の変換」を求めてると思うのです。

つまりこの体験の後に
「じゃあ今度は家族で行こう!」と
家族から声が出る様な意識改革。
そしてそこで楽しい気持ちで帰ってこれるような
行動を家族みんなが自発的に取れるようになること。




ここで論点を絞ります。

「次は家族でも美術館に行こう!」と家族側から意識改革が会った時
美術館側にまず何をしてほしいか。



つまり、イベントではなく通常展示を
家族連れで楽しく鑑賞して帰るには
どうしたらいいかです。



最近の私は子供の学校の関係で日中ひとり鑑賞も増えたので
自分の視点を子供連れの鑑賞者を観る一鑑賞者にずらすことが増えました。
私自身はひとりで見てて、子供連れが気になるか?。


結論としては、私はそれなりに気になるほうです。


それは子連れの時でもそうでない時も一緒。
ちなみに海外の美術館はその限りではありません。


これは何故なんだろう。


以前、日本語ネイティブの外国人の方に
「日本の美術館で他人の言動は気になりますか?母国と何が違いますか?」
と聞いたことがあります。答えは


「日本語が分かるようになると日本の美術館では他人の言動はきになる」


でした。
ちなみに日本語がわからんけど日本在住の外国人の方に
同じ質問をしました。すると「別に」とのこと。
では「英語は気になる?」と聞くと


「特にないねー、母国語が聞こえてきたら「どこから来たの?」と声かけるかも」



だそうです。



つまり、美術館において「他人が気になる」ってのは
態度や環境より「日本語的思想」なのではないかと
思うわけなのであります。



日本語的思考を私はこんな風に考えます。




「自分が目立ちたくない」
    ↓
「目立つためには隣が劇的に変化しないでほしい」
    ↓
「隣の変化に過敏に反応」という流れ。




だから隣に過敏に反応するわけです。
これ、思い当たる節ありませんか?私はあります。
でもそういう思考はもう変えられないと思うのです。
だって日本語が母国語だし。



だったらどうするか。
その思考でやっていけるテクを身につけるしかないと思うのです。



あくまでも推測ですが
秋ってのは子供の美術館嫌いが増大する時期だと思っています。
なぜなら夏の子供向けイベントの感覚のまま美術館を再訪して
係の人にめっちゃ怒られるパターンが多いからです。
確定は出来ないのですが
夏の子供むけ展示の「後の展示に対するフォロー」
を明確に打ち出してる美術館って殆どない気がするのですがどうでしょう。

「次は今回と違うけどこんな風に鑑賞すると楽しいよ!」
を全く伝えずに
「また来てねーきゃっほー」
って挨拶でまた来たら超冷たい。
これって大人でも悲しいです。


つまりこれは大人の責任だと個人的には思ってます。
子供向け展覧会の時に

「通常展示との違い」
「通常展示ではどう鑑賞すべきか」
「どう鑑賞したら楽しいのか」

というメッセージが子供に伝わってないんです。
本来なら絶対に伝えなきゃいけないことなのに。


ここで少し戻ってみます。
通常展示の時、なぜ子供の声や態度が怒られるのか。
理由は簡単です。
子供の発するシンプルな言葉や言動が

「作品の声を聞きたい人」

をダイレクトに邪魔するからだと思います。
つまり「作品の声を聞きたい人」と
「コミュニケーションを取りながら鑑賞したい人」は
永遠に分かり合えないんです。


じゃあどうするか。だったら分けちゃえばいいじゃん。
女性専用車両だって結構普及してきましたよね。
「静かに見ましょうの日」とか「おしゃべりの日」ってのを決めて
アナウンスすればいいと思うのです。



そういう活動をしてる美術館はいくつかありますね。
なのでここでもう1歩踏み込みたいと思います。
「作品をこんな風に見ている人がいます」
ということをあらゆる層に伝える啓蒙活動をしてほしいんです。
ここ、すごく足りない気がします。




「美術館において子供が見やすいようなハード的環境作りをすれば家族連れは楽しく見れる」
というのは私は根本的な解決にならないと思います。理由は3つ。

1)予算的な問題。
2)一緒にいる大人が子供が楽しめるようにナビをしなきゃ子供が楽しくない。
3)大人の環境を好む人が目障りというクレームが予測される。




そして一番私が危惧するのは

環境作りがあれば観るのなら、
そういう場所でしか観れなくなる子供にならないのか?ってこと。
導かれなきゃ観れない美術はその子供にとって人生の発見に繋がるのでしょうか。




現状で引率者のナビを受けながら子供が自発的に作品と向き合う。
ここが大事だと思うのです。
なので引率者すごく重要。ここの育成活動もぜひしてほしいです。
前から思ってるのは学校行ってる間お母さんが美術館でガイド聞いて
そういう指南方法を共存し合う勉強会みたいながあるといいなと思います。
お土産は家族分の半額券とかにしたらどうでしょう。



まとめ。

美術館で家族連れが楽しめるためにやってほしいこと。


「色々な鑑賞スタイルがあることをあらゆる層に伝える活動をする」
「子供の自発的鑑賞を促せるような指南方法を伝える場を設ける」
「鑑賞スタイルごとに分ける状況を作る」



ここで難しいのは
「色々な鑑賞スタイルがあることをあらゆる層に伝える活動をする」


だと思います。
そこでこんなゲームを考えました。


1) 子供3名迄と大人でグループ作って鑑賞
2) メモを取らせて外に出て作品の紹介文を3つ作成。
(タイトル、作家は隠すこと)。
3) 観賞後みんなで別室にてグループごとで発表
4) 一番当てた(当ててもらったでも)のが多いグループが優勝



これに個人で参加してもらうことで
「自分とは異なる鑑賞スタイルを学ぶ」
というのはどうでしょうか。


このゲームのすごく良いところは

どんな年齢層でも「一生懸命観察する」「話し合える」
のはもちろんなんだけど
「クイズに影響するので【作品の前で必然的に黙る!!!】」。
だって話したらばれちゃうもん。
だから実施中他のお客さんへの影響も少ないですよね。

そして別の場所でメモを作る時に出てくる子供達の言葉や質問対応は
子供と鑑賞したことがない大人にはすごく新鮮だと思うのです。
す。

ちなみにこのゲームは対象がどんな分野でも、参加者がどんな年齢層でもいけます。
そして個人じゃなくて複数で混ざって発表するから
日本人特有の恥ずかしさも薄まるしmixする時に鑑賞者も参加者も聴講者も発見がある、
しかもお金もかからない!ほら最高。

「静かに鑑賞したい」という人は心に聞こえる声が聞きたいからだと思うのです。
このゲームに参加したら人には「作品を鑑賞するとこういう声が聞こえるのか」って
実体験を聞けるので分かりやすいと思います。
そして自分には聞こえない声が聞こえた人の存在を実際に感じて
「鑑賞スタイルはみんな違う」と隣の人の鑑賞スタイルを
よりスーズに受け入れられるようになるのではと思うのです。


このゲーム。ぜひぜひご意見伺いたいです。
そして実施する際は面白そうなのでぜひ見学させて下さい。
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theme : 美術館・博物館 展示めぐり。
genre : 学問・文化・芸術

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