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2013-02-10

東京都写真美術館「第5回恵比寿映像祭 パブリック⇄ダイアリー」を観てきました。


東京都写真美術館にて

「第5回恵比寿映像祭 パブリック⇄ダイアリー」

を観てきました。

去年はこの時期渡独していたので本当に駆け足でしか観れませんでした。
今年は日本にいるので(ってすごく忙しいけど!)ぜひ!と思い
初日に出かけました。


登園中に行くのですごい早い時間。
開館と同時に飛び込むって感じです。
当然人は少なめ。
心して映像と向き合うことが出来ました。




今回の展示は非常に見応えがあります。
すごいです。
特に3階の展示の迫力は尋常ではないです。

まず
クリストファー・ベイカーでカウンターパンチ。
「ハロー・ワールド!または、私は如何にして聞くことを止めてノイズを愛するようになったか」(2008)

こちらのUPの洪水にまず私が息をするのを忘れました。
SNSを生活のベースに考えてしまいそうになる昨今。
自分をUPすることが身近になっている昨今。
自分の投稿もこんな風に観られてるのか!と衝撃を受けたのかもしれません。
そして映像の洪水にドキドキしていたらどこからともなく「ボレロ」の音色が。
それはヒト・スタヤル「キス」(2012)でした。

こちらある紛争時の誘拐殺人事件をテーマにした作品。
幻の行方不明者の姿を探るというのがテーマなのですが
こちらまさに「羅生門」の世界。
見えない、もしかしたら存在しなかったかもしれない行方不明者を
形に表す映像と3Dプリンター。

こちらの作品のパワーに圧倒されました。
もしかしたら私たちはこうやってイメージから
(もしかしたら存在しない)人を立体化してしまうのだろうかと
恐ろしくなりました。

恐怖感に震えて次に行ったら
次は非常に美しい雪のような作品が、
近づくとこれは「レシート」。
「レシート・プロジェクト」(2006~2013)
は非常に繊細でありながらスリリングな体験型インスタレーション。
レシートを選んで起きておくとマッピングしてくれるそうなのだが
何をマッピングしてもらうか自分が必死に探している様に
滑稽さと動揺を交互に感じたりします。


そう。
つまりまさにこれそこそ「パブリック⇄ダイアリー」。
公共性の中でのプライバシーの存在位置を
どう捉えていくかというテーマが
多方面からグイグイ攻めてきます。



映像の力という視点で考えると
「スロウ・アクション」(2010)も相当やばかった。
映画のような短編を4つ同時に見せることでザッピングのような
思考の分散化のような体験を公にしてしまう。
まさにパブリック(公共映像)をダイアリー(私的空間)に変化。


その他にも沢山の見応えある作品がありました。
正直ここまで見応えがあるとは予想してませんでした。
この「パブリック⇄ダイアリー」というのは
公共性とプライバシーの行き来する
現代の縮図のような非常に重要なテーマであると
改めて感じることが出来ました。



オフサイト展示の鈴木康広さんの作品「記憶をめくる人」は
予想以上に大きくてびっくりしました。
こちら私が行った時は調整中だったので
ぜひ動いているのが観れる時間に再訪したいです。


これはまさに大人の為の映像祭。
恵比寿映像祭は基本料金は無料なので
(一部パフォーマンス等は有料)
ぜひ何度でも足を運んで頂きたいと思います。
ちなみに近辺のギャラリーもこの時期は映像関係の展示を
沢山行っています。
ぜひ足を運んで頂きたいと思います。



2月24日(日)迄。
*うち、2月12日(火)、2月18日(月)のみ休館です。
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theme : 美術館・博物館 展示めぐり。
genre : 学問・文化・芸術

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