2013-01-17

国立新美術館「未来を担う美術家たち DOMANI・明日展 2013 文化庁芸術家在外研修の成果」を観てきました。


国立新美術館にて

「未来を担う美術家たち DOMANI・明日展 2013 文化庁芸術家在外研修の成果」

を観てきました。


このDOMANI・明日展を拝見するのも今回で3回目。
今回非常に驚かされたのが今回は一部の作品が撮影可であったこと。
こちらは行って初めて気がつきました。

いざカメラを意識して鑑賞を始めてみると
もう魅力的な世界がそこには展開されていました。


今回は一部の作品が写真撮影可能でした。
心奪われた作品達をご紹介させて頂きます。



米正万也さん


オーストリアという研修先にまず惹かれました。
オーストリアの田舎町に車で行ったことがあるのですが
とてもこじんまりとして箱庭のように世界が完成されていて
とても美しいなって感じたんですね。
その「閉じた世界の美しさ」がコマ撮りアニメーションに
とてもやさしく表現されていてなるほどなあ!って
何度も思いました。


またカードの展示の仕方がまた素敵。
お菓子のショーウィンドを彷彿とさせます。



行武 治美さん


ガラスを使ったインスタレーション。
これがまたまあ大規模で大規模で。。
人と見比べれて頂ければ分かりますよね。


そしてとても効果的に使われてるのが光。
反射を利用して表現されるその「やわらかい光」は
注意してみていないと消えてしまいそうで
ずっとずっと見ていたいと思わせるような優しさに満ちあふれていました。



平野 薫さん


古着を解いて形成されるインタレーション。
物体としてはほぼ同じ量で存在しているはずなのに
その場から消えてしまいそうな変化。
それはここではないどこかへ行きたいという逃避願望なのか
それとも天から舞い降りてきた思い出の姿なのか。

作品の間から見える風景の空気までもが
見えてくるようなとても世界のある作品になっていました。



塩田千春さん


今回の展示に「行かなきゃ」と思わせるきっかけとなった作家さん。
発電所美術館で拝見した作品の衝撃は今でも覚えています。
そして塩田さんの作品には
非常に大規模でありながら私が最近常に感じているような「不安」を
具現化しながら浄化させるようなモニュメント的な要素も感じるのです。



こちらの作品のキャプションが
非常に感動的だったので転記させて頂きます。
--------------
靴の作品を作ろうとおもったきっかけは三年ぶりに日本へ帰ったとき、
昔履いていた靴がサイズも形も同じなのに足に合わない感覚が残ったことからだった。
どれだけ遠くに住んでいても故郷への思いは消えない。
でも実際に故郷に帰ってみるとどこにも自分がイメージする故郷がない。
では、一体何が懐かしくさせるのか。
その人が通じる想いを赤い糸で結びたいと思った。
--------------
こちらの作品で使用されている靴には手紙がついているものもあります。
そしてないものもあります。
しかも1つだけ。1足ではありません。

そこに存在しているのに、でも何か欠けている。

その象徴が1つの靴なのかもしれません。
そしてそこから飛び出す赤い糸は
どこかを目指して天に登ります。
それは想像の産物である理想郷なのか、過去の思い出の中の故郷なのか。
思わず自分も空を見上げました。



池田学さん


こちらはショップに掲げられていた作家さんからのメッセージです。
池田さんの作品エリアは撮影不可でした。

池田さんの作品は高橋コレクション等で何回も鑑賞させて頂きました。
細かい描写から発信される完成された世界。
何回見てもその度に発見があってまるで絵の中の世界が生きているようです。
今回私が目が離せなかったのが「漂流者」という作品。
研修先でクラゲを見た時の経験をふまえ
クラゲの中に新しい世界が構築されていたというストーリーは
色々な思いが作品に込められているなと泣きそうになりました。


今回心が強く惹かれた作家さんは
ドイツに研修に行かれた人が多かったです。
それは私がドイツ好きだからでしょうか。


今回は震災から2年という年月からでしょうか。
不安感の可視化というのが根本テーマのように感じました。
研修制度というこというのも
このような「不安感の可視化を芸術にまで高める」ことに
成功をしているのかなとも思います。
今回の研修生の方は震災後殆どの方が1度は帰国されてると思うのです。
そこにはある程度の日常が戻ってきていると思います。
そして帰国した後研修先に戻った後
日本のニュース等を聞いて一層不安な気持ちになったと思うのです。
それは

「人が築いた安定なんてものはすぐに消えてしまう」
 (故郷は自然の猛威の前では一瞬で無くなってしまう可能性がある)

という事に大多数の日本人が気づいてしまったからだと思うのです。
故郷を遠く離れて感じる思いはかつては郷愁のみだったのに
でも今は失ってしまったらどうしようという
どうしようもない不安感と向き合って
研修活動をされていたのではないかと思うのです。
その心のゆれが作品を崇高な状況にまで
押し上げているのではないかなと感じます。



そして私はそういう不安感とは
ただ向き合っている事しか出来ないので
ここまで芸術に高めることが出来る作家さんを
改めて尊敬します。すごいと思います。

私を含め大多数の人が現在「不安感を抱えて」生活をしているような気がします。
そういう想いを今感じる方は特に共感出来る場面に遭遇することが出来るはずです。



このシリーズ何回か拝見していますが
今回は特に素晴らしいです。
ぜひ足をお運び頂きたいと思います。
オススメします。

☆土日等鑑賞者が多い場合は写真撮影は十分注意の上でお願い致します。

2月3日(日)迄、【火曜日休館です】
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genre : 学問・文化・芸術

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