2012-11-30
ワタリウム美術館「坂口恭平 新政府展 過去編」を観てきました。

ワタリウム美術館にて
「坂口恭平 新政府展 過去編」
を観てきました。
坂口さんとの出会いは夏の暑い日でした。
代官山アートストリート「NOT AUTHORITY,BUT ART -常識に尻を向けろ。-」を観てきました。
汗まみれになって作品を修正している坂口さんは
息子の「暑い?」という問いかけに笑顔で答えてくれました。
ありがとうございました。
実はお会いした後に「0円ハウスの人だ!」と分かり
正直もっとお話したかったと後悔しました。。
「建てない建築」とはどういうことなんだろうー。
と思いながら私は次の日家族とドバイに旅立ちました。
ドバイでは呆れる程の「高さを誇る」建築物が
私たちを物珍しそうに眺めていました。
高い低いの高い、高い安いの高いと
色々な種類の「高さ」が私たちを高いところから
見つめていました。
「世の中にお金がある人っているんだなあ」
と何度も何度も実感する不思議な旅でした。
「貨幣には解決力が備わっている」ことを
実感させること多数ありましたが
中東にはどうしても超えらない壁や入り込めない世界があるのだなと
何度も感じることがありました。
その解決力が正解や平和に結びつくかどうかはまた別の問題なのですが。。。。
今回の「新政府展」では私はドバイで観た風景を何度も思い出しました。
建てない建築 VS 建てまくる建築。
比較にするにもどうやって比較したらいいのでしょう。
価格?価値?それとも??
図書館を書斎、公園をリビングとして活用している
「隅田川の鈴木さん」はドバイのビル群をどう使いこなすのか。
そもそも「隅田川の鈴木さん」はドバイに存在出来るのか。
沢山色々なことを考えさせられました。
この展覧会のテーマは
「貨幣価値が所有する絶対的解決力」との真っ向勝負という印象を受けました。
そして「現状が崩壊してるのならそれを壊し切るのではなく別に作る」
というアプローチに優しさと儚さを同時に感じました。
「別につくる」という行為は全く別のものを構築するようにみえますが
実は現状に多大な影響を受けます。
きっと現状をとても愛しすぎてるアプローチなのかなとか。
坂口さんからの問いかけ(所信表明演説みたいなもの?)として
「あなたは何大臣ですか?」
というものがあります。
これは貨幣の所有する「絶対的解決力」
に自己の挑戦を呼びかけとして「とても挑戦的な問いかけ」
と私は受け取りました。
私の価値ってなんだろう?
私が行使出来る絶対的解決力はどのくらいの価値なんだろう?
私はまだちゃんと「独立国家のつくりかた」
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を読んでいないので「大臣になったら具体的にどうやっていくのか
うまくイメージ出来ませんでした。
だからでしょうか、
とても未来編が気になります。
未来に希望を持っていいのかもと
少しだけ気持ちを前向きにしていいのかと
今とても閉塞感を感じるから
尚更そういう前向きな気持ちを
愛おしく、同時に「そういう気持ちを持っても大丈夫なのかな」と
恐ろしく感じる自分がいます。
今回もパスポート制なので何度か通って
自分が感じた想いをうまく整理出来たらいいなと
感じました。
作品そのものについてとても気になったのは
ドローイングで使われてるPen。
すごく筆圧に統一性があって
まるで誰か他の誰かが太さを調整しているような
とても不思議なラインでした。
どんなPenを使われているのかとても気になりました。
何度か伺いたいと思います。
息子は展示そのものをとても純粋に楽しんでいました。
ただ4階の展示では
「とても強いお話を聞いた気がする」と
色々考え込んでいました。
何を考えたかはうまく言えないそうなので
何回か一緒に行って言葉に出る時期を待ちたいと思います。
ワタリウム美術館の
パスポート制度に感謝です。
そしてこちらミューぽんも使えます。
割引してもらってパスポート。
2回得した気分です(^^)。
会期中「過去編」「未来編」と展示替えがあります。
2012 年11月17日(土)-2013年2月3日(日)
過去編 2012 年11月17日(土)- 12月7日(金)
未来編 2012 年12 月8 日(土)- 2013 年2月3日(日)
休館日 月曜日(12/3、10、17、24 と1/14 は開館)
12/31 - 1/3 は休館
詳細は公式ホームページをご確認下さい。
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theme : 美術館・博物館 展示めぐり。
genre : 学問・文化・芸術