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2019-02-26

【Kuala Lumpur】The Black box「Democracy In Action exhibition」を観てきました。




The Black boxにて

「Democracy In Action exhibition」

を観てきました。


Protest art in the spotlight at ‘Democracy In Action’ regional group exhibit



事件です。

2月というのに(このブログを書いてるのはもうすぐ3月だけど)
私は今年度のベスト展覧会に出会ったかもしれません。




この展覧会を教えてくれたのは
マレーシアに来てから
本当に仲良くしてくれてるPangrok Sulap。
展示をやるんだよとFBで教えてくれたのです。
ちょうど1日、息子の診察の関係で
日中に病院に行かなくてはいけない日がありまして
せっかくなら!ってことで
ワークショップがある日に病院の予約を入れました。



Pangrok Sulapのワークショップ参加は2回目。
内容的にはとてもシンプル。
もらったベニア板で木版画を作る。それだけ。










でもね、なんかね、全然私の知ってる
木版画じゃないですよ。
以前別のブログ記事でも書きましたが
東南アジアにおいて木版画というのは実はとても
ファンキーな広報活動。
一緒に木版画を彫ってる際に聴こえてくる音楽、
途中確認をしてたら「Goooooooooood!」的に
ものすごく盛り上げてくれたり。
ふっと集中が途切れた時に聴こえてくる
彼らの音楽に心のから暖かくなったり。

もう最高なんですよ。

彼等の空気感にどっぷり浸りたかったので
今回はデザインもしっかり考えていきました。
息子さんは即興派のようなのでそれはそれで。

今回も、本当に楽しかった!




そして展覧会。





まずタイトルが攻めてる!
こんな政治的なタイトルから
なにが産まれるのかとドキドキしたんですが。。。

こりゃすごい。

このグループ展は

Forsea KL 2019

という芸術と民主主義についての
コンサートや討論会などもあった模様。
こちらは動画はマレー語(インドネシア語?)なので
全くわからない。
でもFBの英語の解説を読む限りですが
とても活発な議論がされていたようです。


この活発な議論の頂点として
Mr.マハティールもこの展覧会を訪問!
すごいですよね。


前政権に対する強烈なカウンターパンチは
マレーシアの政治を
ほんのすこししか知らない私でも
わかるわってほどのストレートな表現。









コミック、
写真、
パフォーマンス、
そして木版画。



それぞれの表現が強烈なパワーで畳み掛ける。
そして木版画はやっぱり大迫力。
ストレートでパワフルな表現がズンズン伝わる。



息子さんと一緒の写真でわかりますか?
どれだけ大きいか。




ちなみにマレーシアの作家だけの参加ではなく
インドネシア、シンガポールの作家も参加していました。
前回のジャカルタのMACAMでお会いできたArahmaiani。


そしてシンガポールからもSeelan Palayが参加。
Seelan Palayは
シンガポールの政​​治活動家である
Dr. Chia Thye Pohについての
パフォーマンスを国会議事堂前で行い、
政府から逮捕されました。

彼の作品についての展示があったことには
正直驚きました。




この展示は何か文献に残してほしいけど、
厳しいかもしれませんね。
それほどまでにエネルギーがすごかったです。
だからこそですが
この場に実際に行けたことに深く深く感謝します。


アジアの版画、日本でも展覧会が行われているようですが
アジアで鑑賞する版画は
本当に強いパワーを感じることができます。
アジアの場だから感じる熱を
どんどん体感しに行きたいですね。



展示は既に終了しています。
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genre : 学問・文化・芸術

2019-02-10

Museum Macam「Arahmaiani: Masa Lalu Belumlah Berlalu(The Past has not Passed)」を観てきました。



Museum Macanにて


「Arahmaiani: Masa Lalu Belumlah Berlalu(The Past has not Passed)」


を観てきました。

Lee Mingweiさんの大ファンである私がMacamでのプログラムをチェックする前から
この展覧会の存在は知ってました。
ジャカルタや東南アジアのメディアだけでなく世界規模のメディアでも
「是非見に行くべき展覧会」にチェックされていたからです。







Arahmaianiは、インドネシア、バンドン出身の女性アーティスト。
バンドンというのはインドネシア第3の都市、ジャワ島の西側にあります。
標高が高く1年中涼しいため、
週末になるとインドネシア各地からの観光客でにぎわいます。
学校や美術館などが集まる
文化芸術の都市です。
高級リゾート地としてもとても有名なんだそうです。


そんなバンドン出身の彼女の展覧会は、
絵画、舞台芸術、インスタレーション、詩など、
さまざまな媒体を通して表現を行なっています。
作品の多くは政治的、経済的、環境的な問題を扱っています。
消費主義、宗教、現代文化における女性像など
地域や世界の問題を浮き彫りにしています。

なので、背景を調べる必要がある作品も多い。。。
今回は70点の作品で構成されているそうです。


背景を知らなきゃ難しいの。。?
え。。。


大丈夫です。ご安心ください。
だってここ、MACANですよ。
愛溢れる空間で展覧会は設定されてるんですよ。
ほんと、すごいと思う。こんなに自由に空間を使えたら
アーティストもそりゃ嬉しいよなって思います。


映像などでパフォーマンスはチェック済みだったんですが
共有できる映像がありました。


Handle without care
というパフォーマンスの舞台となる
「Nation for the Sale」が行われる舞台。


様々な陳列物は
イスラム教を侮辱しているのではと
以前ものすごい抗議を
受けたこともあるそうです。

バリの衣装、資本主義を象徴するコカコーラ。
日常生活を取り巻く様々なグッズ。
宗教音楽はイスラム教だけでなく
あらゆる宗教の曲が使われているとのこと。
様々なものが複雑に絡み合い
現在のインドネシアの問題を浮き彫りにします。


その他、チベット問題とか
イスラムにおける
女性の扱いについての問題など
1つ1つを見ると非常に政治的、宗教的で
そこには数多くの語りがあるんですよ。
とても、とても、雄弁です。


でもなんでしょう。


そういう難しい側面ばかりを気にして
ああやっぱわかんないと思うからいいわって思うには
あまりに勿体無い。

人らしさにあふれてるこの世界を純粋に楽しんでほしい。

数多くのビエンナーレ、トリエンナーレ、グループ展、個展が
世界中で行われているのわかるわあって思います。


3月10日まで。
是非足を運んで頂きたい展覧会です。

theme : 美術館・博物館 展示めぐり。
genre : 学問・文化・芸術

2019-02-09

【Indonesia】Museum MACAN「Lee Mingwei: Seven Stories 」を観てきました。



Museum MACANにて

Lee Mingwei: Seven Stories

を観てきました。



私の中で絶対に外すことができない作家さんの一人が
Lee Mingweiさんです。
私が勝手に大ファンなんですけどね。

最初の出会いは資生堂ギャラリーでした。
その後私はシンガポールに引っ越したんですが
森美術館で個展のために一時帰国しました。
次に台北で個展があると聞いて追っかけました。
そこでご本人に会えて更に感激。
その後私はマレーシアに引っ越したのですが
Leeさんは一度イベントでシンガポールにいらっしゃってたんです。
私はその時引っ越し直後で
ドタバタしていてLeeさんに会える機会を逃しました。

ブログはこちら。
2012-09-22
資生堂ギャラリー「リー・ミンウェイ展「澄・微」」を観てきました。


2014-09-18
森美術館にて「リー・ミンウェイとその関係展」が9月20日から開催されます。


2014-12-17
森美術館「リー・ミンウェイとその関係展: 参加するアート―見る、話す、贈る、書く、食べる、そして世界とつながる」を見てきました。


2014-12-19
【コラム】リビングルームのホストになって「森美と私」を振り返る。


2015-09-06
臺北市立美術館「李明維與他的關係:參與的藝術 ─ 透過觀照、對話、贈與、書寫、飲食串起和世界的連結」を観てきました。


そして2018年11月。
インドネシア、ジャカルタのMuseum MACANという
素晴らしい個人美術館で
Leeさんの展覧会が行われると聞いて
私はいてもたってもいられなくなりました。

11月、12月は個人的にとてもしんどいことが多くて
精神的にものすごく辛かったんですよね。
そんな時にどうしても行きたかった。
結局行けたのは1月の末でしたが。。。


本当に、行って、良かった。









今回は彼の作品の中での7点を
物語のように展示するスタイル。
優しい雰囲気に満ち溢れていて
会場内で何度も泣きそうになりました。




特に手紙のコーナーは心揺さぶられました。
「The letter writing Project」は
展覧会に来た観客にそれぞれ大切な人に向けて
手紙を書いてもらい、
他の人に読んでほしくないものは封をして、
読まれてもいいものは封を開けたままにしておく、
という作品。


封をされた手紙は投函され、
封をしていないものは展覧会場で
他の観客が自由に見られるようになっています。
手紙の棚は毎朝リセットされるそうなんですが、
観られる手紙は
その後の手紙に多大な影響を与えるそうなんです。


この手紙、毎回読ませてもらうんだけど、
泣けちゃうんですよまじで。
インドネシア語、読めないけどでもなんかグッときたなあ。
私も、

「私はこの空間をずっと追いかけてる。ここに来れて嬉しい」

って英語で手紙を残してきました。




Leeさんの作品の根底にあるもの。
それはコミュニケーション。
一緒に食べる、手紙を綴る、
日常のコミュニケーションこそ究極のアートという表現。

これって、外国でアタフタしながら
語学を酷使して生活してると
涙が出るほどそうよね!って思うことがあるんです。


私自身、東南アジア在住5年目になりました。
英語が全くわからないわけではないので
死なない程度に生活はできますが、
でもやっぱりコミュニケーション苦手です。

これは日本語だったらいいってわけじゃなくて
人として苦手なんです。
学校の用事があるって時、
いつも息ができないわあって思うほどに緊張します。
同時に東京で幼稚園でも、小学校でも
学校と名のつく場所に行くのが
本当に嫌で嫌で仕方がなかったことを思い出します。


ええ、コミュ障と呼ぶがいいさ。


そうなると、
英語でなんとかアタフタできる方が
よっぽど楽なんです。
余計なこと、話さなくていいし。

こんな私にとって
人とのコミュニケーションは
ある意味演劇のような要素を持っています。
私は情報を得るために、タスクをこなすために
必死で「演じている」んです。
これをアートって言っていいのなら、
もしかして、私、すごく楽になれる。。?



どんなに挙動不審でも、
どんなにアタフタしてても、
それもコミュニケーション。
それもあなた。
あなたはそのままでいい。



って言ってもらってるような気持ち。



泣いてもいいですか。



Leeさんの世界に浸る際に
まるで母体に戻ったような
暖かい気持ちになれるのは
普段コミュニケーションってことに
疲れてそして疲れてる自分に嫌気を感じて
たまらない自分を

そのまま許容してくれるから

なんだろうなって思う。。。


今回は弾丸の訪問だったのでイベント、
パフォーマンスに遭遇はできなかったんだけど
それでも本当に満足度高かったです。
行ってよかった。


美術館も素晴らしい美術館なので
ぜひ一度足を運んで頂きたいと思います。
カフェも、美味しいです。


3月10日まで。
Leeさん訪問のタイミングが合えば、
やばい行ってしまうかもしれない。。。

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