JUGAS | Japanese University Graduates Association of Singapore主催の
「
Nihongo de Asobou 2017」に参加させて頂きました。
「Nihongo de Asobou」というイベントが
毎年シンガポールで開催されていることをご存知でしょうか。
え、Eテレ関係なら行きたかった!と思ったそこのお母さん。
ちょっと違うんです。

このイベントはシンガポール留日大学卒業生協会(JUGAS)が
毎年開催しているイベントです。
参加しているのは日本語を学ぶ
シンガポールの中学生から大学生さんたち。
今年も80名近い学生さんが参加しました。
開会式では篠田大使もご挨拶。去年初参加だった大使は
生徒さんたちの日本語力にとても驚かされたこと、
そしてこれからもぜひ勉強を続けてほしいと
コメントをしておられました。
こちらに参加している学生さんの多くはMOE LCに所属。
MOE LCとはシンガポール全国統一中学入試(PSLE)の
成績上位10%の生徒が、第三言語としての
外国語を中学から学ぶために設立された学校です。
そして主催側である国費留学などで
過去に日本に留学した人の同窓会組織「JUGAS」は
こうした日本語に関する交流イベントを毎年開催しています。
イベント開始当初は
「どんなゲームを作ったらいいのかわからない」
「どんなことが行われるかわからない」
とゲーム提供者、参加者を集めることに苦労したそうです。
今はみなさんとても盛り上がるので
毎年楽しみにしてくださるとのこと。
確かに、最初の準備運動からすごい盛り上がりでした。

参加者はクレメンティ校の先生方の指南で体をほぐした後、8~10人のチームに分かれてゲームを開始します。

各チームで連想ゲームやテーブルでのカードゲームを行います。
ものすごく、ものすごく、盛り上がりました!



もちろんテーマは日本または日本語。
日本人である私も思わず首をひねるような難問も数多くありました。
ゲームは30分を4ターム。
途中休憩を挟みましたが最後まで盛り上がりました。

優勝者がJUGASのイー・ジェン・エン会長から
発表された時は会場の盛り上がりは最高潮になりました。
楽しんでいる生徒さんたちを撮影しながら
ふと疑問に思ったことがあります。
みなさん日本語を使って働きたいから日本語を勉強しているのかな?
それはどうも少し違うようです。
日本語の人気の秘密はやはり漫画。
日本の漫画に惹かれるきっかけは
英語に翻訳された日本の漫画を読んだり、
字幕のある日本のアニメを見たことが多いそうです。
しかし全ての本が英訳されるわけではありません。
英訳されるとニュアンスが変わってしまいます。
だからニュアンスの違いに着目したい、
もっと他の話も読めるようになりたいなどと感じ、
日本語を学び始める学生さんが多いとのこと。
好きなことから入るパターンですね。
よって、自分の将来のビジョンに
日本語を使った自分というのはあまりないようです。
何人かの学生さんとお話してとにかく感じたのは
「みなさん超日本語うまい!」
「みなさんめっちゃ積極的!」
「みなさん好きなことが明確すぎ!!」
例えばある留学生さんに話を聞いていみると
「僕は何をしたいからどこどこ大学で学びたくて、今留学準備中なんです」
などとても目標が明確です。
その明確さを伝えることに躊躇しない、
そしてそれに対しての意見を
「意見としてのみ受け入れる」。
母国語以外でこのような発信力、交流力が
自分が学生時代にあったかと
改めて考えさせられます。
でも以前別件で調べて驚いたことがあります。
このように日本語にものすごく興味があって
日本語が上手で
日本が大好きな東南アジアの学生さんたちは。。。
どうも「日本に就職したい」という気持ちはあまりない印象。
どうして何だろう?
日本人だったら英語ができたら、中国語ができたら、
海外で就職して。。。とか考える人が多いのに!!!
疑問に感じながらファインダーを覗いていたら気がつきました。
あれ、なんかみんないろんな言葉をとても自然に話してる。
彼らはその時々において自分の話したいことばを使い分けてる。
感覚と選択を経て色々な言葉を使い分ける若者たち。
その中に組み込まれた「日本語」は授業で習った日本語ではなく
使われてる、想いがある日本語であります。
使いたいから使ってるだけなんだ。
そう、彼ら、世界中で使われている
「英語」も「中国語」も話せるよね。
「使いたいから使う日本語」を喋れて好きなものが日本にあるから
日本語を学ぶという行動力のある人って仕事人として理想。
そういう日本語を使える有能な若者が日本に来たら。。。
そういう人と、働きたい。
経営者ならそう考えるのではないでしょうか。
今まで私たち日本人は
「日本の中では日本語で」という感覚があったと思います。
そして「日本語ができるのは日本人だけ」という感覚も。
私はシンガポールで生活するようになって
日々数多くの驚きを感じていますが
「日本語思考を理解した日本語の若者の使い手が多い」
ことはとても驚かされたことの1つです。
彼らは強制ではなく自由意志で日本語を学び
日本語を話すだけでなく、
英語やマンダリンを話し
英語思考や中華思想を体感しています。
数々の分野情報に関して
それぞれの言語で接しています。
このような若者は
東南アジアで確実に増えています。

今回の優勝チームの皆さん。おめでとうございます!
毎回感じますが
彼らの知識とその知識を活用する力に驚かされます。
日本人って勤勉とか言われたのは昔の話。
目的意識を持った東南アジアの若者の
学ぶ姿勢には驚かされるものがあります。
このような現状をもっと知ってほしい。
そして日本語を話す人間として
もっと草の根の相互交流をしていきたいと
改めて感じました。
theme : 美術館・博物館 展示めぐり。
genre : 学問・文化・芸術