
Japan Creative Centre (JCC)にて
「Ceramic Expressions An exhibition series showcasing works by Singapore-based ceramicists」オープニングパーティーに行ってきました。
言葉、知識、情報を吹っ飛ばして
猛烈な感情を呼び起こす芸術の1つに「陶芸」があると思っています。
それは「陶芸」というジャンルが「直接触る」という過程が存在するからです。
そして陶芸で触れる作品というのはその作品だけでなく
例えば花、食事、お茶、そしてその情景。
色々な要素が混在して世界を作り上げるからではないかと
考えています。
そこにはまるで人と人との思い出を紡ぐような
とても深い関係性を感じます。

今回の
「Ceramic Expressions」は
シンガポールを代表する陶芸家でもある
Dr.イスカンダル・ジャリル氏とそのお弟子さんの展覧会。
シンガポールの陶芸というのは
かつては多くが輸入品でした。
お土産で人気のプラナカン食器などは
中国からの輸入品。
かつてゴムの採取の際に使われた器を作るため
シンガポールにも登り窯があったそうですが
技術の変化とともに数は減少。現在は2釜しか残っていません。
そしてその釜を蘇らせるプロジェクトとして
「
Awaken the Dragon Project」が発足しました。

このような歴史の中、陶芸の炎を燃やし続けたのが
Dr,イスカンダル・ジャリル。
1940年1月15日生まれ、シンガポールの小学校及び中学校にて
理科や数学、職業訓練学校にて芸術の教師を務めていました。
1972年にコロンボプランの奨学金にて日本へ留学し
岐阜県多治見市の陶磁器意匠研究所にて陶芸を学びます。
帰国後は職業訓練学校やタマセック・ポリテクニックにて教鞭を執りつつ、
現在も陶芸家として活躍しています。
1977年以降数々の芸術賞を受賞し、2014年には
日・シンガポール間の交流促進並びに当地における日本の認知度向上に対する貢献を踏まえ、
外務大臣表彰を、平成27年春の外国人叙勲で旭日小綬章を授与されています。
このようにシンガポールと日本を深く結びつけているDrイスカンダル・ジャリルさんですが。。。


実際の作品を見ると
そういう知識とかどうでもよくなってしまうような
猛烈に心が揺さぶられる世界観があります。

お弟子さんの作品たちにも
そこに触れたい、いや触れたらどんな世界が紡ぎ出されただろう?と
思わせるような物語を感じるような作品がいっぱい。
ああ陶芸ってまさに触れる芸術なのね。
触れ合って湧き上がるこの想いが芸術なのねと。
と思っていたら

触れる芸術の巨匠、Chng Seok Tinさんがいらっしゃってました。
彼女の作品はナショナルギャラリーのチルドレンズビエンナーレにも展示。
こちらもまさに触れる芸術なんですよね。
通じ合うものがあるのかもしれないですね。

そしてナショナルギャラリーのCEO Chong Siak chingさんのお姿も。
すごいですわマジで。





陶芸とかわからないし。。。
と心配とかする必要はありません。
実際その場に行ったら
触りたくなってしまうような
この陶芸作品とどんな物語を紡ごうか
そんな物語が脳内再生されるような
素晴らしい体験ができることでしょう。
ぜひ、足をお運びください。
9月23日まで。日月休館です。
そして今忙しい人は
9月26日からはMulan Galleryにて展示がありますので大丈夫!
ぜひ、ぜひ、足をお運びください。
詳細は公式サイト
イベントページをご参照ください。
theme : 美術館・博物館 展示めぐり。
genre : 学問・文化・芸術