2015-10-27
現代アート探偵「劇団★死期 現代アート探偵ゲンダイチコースケの事件簿『銀髪の賢者と油之牝狗』」を読んでみました

現代アート探偵「劇団★死期 現代アート探偵ゲンダイチコースケの事件簿『銀髪の賢者と油之牝狗』」
を読んでみました。
こちら私の大好きな「劇団★死期」の児童小説だそうなんですね。
児童小説。児童小説?児童小説!?
すごく読みたかったんですが
一時帰国時にはまだ発売されずで買えず(涙)
帰国後、海外発送して頂きました。
まずは息子に読んでもらいました。
ふりがなふってあるのでひとりで楽しく読了。
彼も何回も人形劇の舞台をみているので
すごく楽しみにしていたんですね。
そして本人に「あらすじ以外の」感想を聞くと
「全部わかるようになってて面白かった」
????
私も読んでみました。
今回のストーリーは演劇のノベライズ版とでも申しましょうか。
劇そのものを見ている私たちには
当時の思い出(私たちの場合は多摩美キャンパス)が
思い出されて
とても楽しかったです。
2013-11-03
多摩美術大学芸術祭「劇団死期ミニ公演「ゲンダイチコースケの事件簿#3 」」を観てきました。
そして息子が言っていた
「わからないところが全部わかる」の意味が
やっとわかりました。
現代アートというと
その時の流行りのフレーズや作家やタイトルが
わからないからなんかつまんないから
だから見てもつまんない。そう思って敬遠している人。
多いと思うのです。
この本は構成がとても面白い。
辞典的要素も兼ね備えていて
各章の端末に文章のセリフの中に出てくる
アートに関わる言葉の意味が
とても「簡潔に」書かれています。
この「簡潔に」すごく重要。
このくらいの量だったら
ああそうなのか!って軽い気持ちでわからなさを
払拭できる感じがいいんです。この「軽い気持ち」すごく重要。
もっと探したければググればいいけど
でもこれでもなんとなくわかった!楽しい!と
思わせるような感じ。
ものすごく考えられた構成だと感じます。
物語はジェットコースターのように
行き来していていますが
この注釈のおかげで
スピード感が落ちません。
とても気持ち良く読める本です。
児童書なのかもしれないけど
現代アートに興味があるけどよくわかんないけど
どうしたらいいのかなちょと恥ずかしいけど言えないよって感じので
子供の心を持った大人にもオススメです。
岡田裕子さんのあとがきには
「びじゅつのはじまり」の前で戸惑う子羊たちを
ときに優しくときに厳しくナビするハイジのような優しさがあります。
この本を読みきった時に
美術とはまず体感するもの、楽しむものなのに
私たちは美術に対して知識や教養の必要性を
勝手に定義してハードルを上げて
自分から勝手に美術に怯えていたのではないかと
己の見栄を恥じ、思わず立ち上がることでしょう。
そんなわたしたちをみて
ベッキーはきっとこう叫んでくれるはず。
「クララが立ったわ!」
どんな感じ方でもいいのです。
いきなり走ってもいいのです。
アートとは、他人の知識に追従することなく、
自らの感覚で体感するもの。
ぜひ体感していただきたいと思います。
ちなみに。
劇団★死期未経験の方は
公式ホームページをみたり
劇団★死期公式ホームページ
このような動画をみてみてください。
人形の情報をインプットすると
より楽しく読めると思います。

シリーズ化の予感がありますので
その際、どのような注釈が繰り広げられるのか
それもとても楽しみです。
あとで読み返すと
ネットのようなデジタルとはまた違った
触れる記録になると思います。
この物語は「劇団★死期」という作品の世界への誘い
だけでなく現代アートという世界へも
誘ってくれます。
大丈夫です。
恐ることはありません。
だってゲンダイチが一緒ですから。
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