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2014-01-31

ミヅマアートギャラリー「会田誠展「もう俺には何も期待するな」」を観てきました。


ミヅマアートギャラリーにて

「会田誠展「もう俺には何も期待するな」」

を観てきました。




息子が撮影した会田さん。素敵な笑顔です。

息子がずっと気になって仕方がないアーティスト。
それが会田誠さん。(もちろん私も。)
息子が会田さんの作品に心奪われたのは
森美術館の個展「天才でごめんなさい」でみた
おにぎり仮面(正式名称は「考えない人」)でした。
http://mizuma-art.co.jp/artist/popup.php?uid=0010&imgID=1
何がつぼったのかよく分かりませんが
彼には大ヒットだったようで
個展が終わって随分経った今でも
一番お気に入りのキャラクターです。
小学校でも沢山の絵を書いたりしています。
京都に行った時旦那さんが一生懸命時間を調べて
映画村に行くはずだった時、
広隆寺の弥勒菩薩の看板を見た途端
「おにぎり仮面と一緒!こっちがいい!!」
と言って急遽予定を変更し
広隆寺で弥勒菩薩をうっとりと眺めたりしていました。
その流れで会田さんの他の作品もどんどんチェックしていき
現在では彼なりに
戦争画リターンズについて語ったりするようになっています。




去年、瀬戸内国際芸術祭も行く予定なっていたので訪れた際は
会田さんもメンバーである昭和40年会の展示も
存分に楽しませて頂きました。




特に、瀬戸内国際芸術祭で出会った土人たちのことは
今でも時々思い出します。
見送りの時に土人を見て女の子が叫んだ


「あたし、あれを見にここに来た気がする!!!!」


という言葉には感動しました。
詳細はこちらに→
瀬戸内国際芸術祭2013に行ってきました【想い編】



彼女の叫び。それは
「今、この子はアートに出会ったんだ!」
的な場面であったと思うのです。
私にとってもとても劇的な体験でありました。




そんなこんなで
思い入れたっぷりな会田さん in 男木島。
親子で楽しみに出かけました。



映像は行ったことがある場所が沢山出てきて
面白かったです。
若手アーティストさんの存在感はさすがだなあと思いました。



ストーリーが進むにつれ
映像の中に意味や社会性を探そうと
私はもがきはじめました。
私の横で息子は
行ったことがある景色や
自分も歩いた道の感触を
思い出していたようでした。
一番大きな声で笑っていました。
とっても嬉しそうでした。
その姿に気がついた時
この言葉が私の中にさっと入ってきました。




「絵は人が観ることによって得られる
 ある種の快楽を刺激するサービス業だと思っている」



会田誠ドキュメンタリー映画・DVD「駄作の中にだけ俺がいる」
の予告編の中での会田さんの言葉です。



なんで私は息子のように映像から来る快楽を
素直に受け止めようとしてないんだろうと
その時気づかされました。



あの後私達は実は数回東京で
土人に会っています。その再会は
時も場所も超えて
私たちの心に心地よい風を齎し
もやもやした気持ちをリセットしてくれました。
このアートが齎す爽快感、
TRAN ARTS TOKYOで実感したのにすっかり忘れていました。
子供にこそ現代アートが必要だと思うのよ」について。



あの時の「あがる!」感覚が
私の中に入ってきました。
現在、色々悩んでることが多いので
とても救われました。
嬉しかったです。




ちなみにTRAN ARTS TOKYOでは
今回の映像に出演している「あなやろう」役の
有賀 慎吾さんが超かっこいい展示をしてました!
「あなやろう」はとても重要な役割でした。
かっこよかったです。



邪念が消えた後は
思う存分映像を楽しむことが出来ました。
鑑賞最初の
ずっと手ぶれだったらどうしよう!?と焦った気持ちも
すぐにどこかへ行ってしまいました。息子に感想を聞くと



「やっぱり最後は女の人が持ってっちゃうんだね!!」



なんなのそれ深いのか浅いのよくわかんない。。
楽しかったのなら何よりです。




劇中に出てきたオブジェも飾ってあって
思い出が蘇ってきます。
また瀬戸内に行きたくなりました。



瀬戸内国際芸術祭に行ってないんだけど。。
という方はぜひこちらの会田さんの文章を一読してから
作品を拝見することをオススメします。


土人たちとの夏(前編)
土人たちとの夏(後編)




今回、オープニングに参加した目的の1つに
「自作Tシャツにサインを頂く」がありました。
このTシャツ、息子は自分でシルクスクリーンで作成しました!
「勝手につくってごめんなさい!」と言って「サイン下さい」
とお願いしたらサインして頂くことが出来ました。
本当に嬉しかったそうです。
私も嬉しかったです。
ありがとうございました。



帰り道、私たちは男木島の思い出を話ながら帰りました。
話しても話してもなかなか終わりませんでした。
土人達との出会いがあったことで
きっと多くの人が私たちのように
2013年の夏を忘れないでしょう。
忘れたくなるような事が多すぎる昨今、
これって素晴らしいことだと思うのです。



3月8日迄。
月曜日休廊です。
本作品の上映時間は約48分です。
午前11時より毎時00分から上映を開始だそうなんで
その時間に合わての来廊をオススメ致します。
(1日8回、最終上映開始午後6時)
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theme : 美術館・博物館 展示めぐり。
genre : 学問・文化・芸術

2014-01-29

1月の水墨画教室。


1月の水墨画教室です。




今日はだるまさん。
縁起物ですね。気持ちいいですね。




すごく素敵に出来たと思います。




短冊に椿も書きました。
こちらもとっても素敵に出来ました。
改めて息子さんは「古典派」なのね!と
思いました。

theme : アート
genre : 学問・文化・芸術

2014-01-29

アートシーンにおいて自分で行動を起こすことについて「森美術館「「六本木クロッシング2013展:アウト・オブ・ダウト―来たるべき風景のために」丹羽良徳主催非公式ツアー」に参加して思ったこと。


もう終了してしまったイベントですが
ぜひ記録に残しておきたかったので。



森美術館

「森美術館開館10周年記念展
 六本木クロッシング2013展:アウト・オブ・ダウト―来たるべき風景のために」


にて

丹羽良徳さんが個人でガイドツアーを行うとtweetされていたので
家族で行ってきました。

丹羽さんの作品は実は随分前からチェックしています。
「許すネオンサイン」(2010)は
私には忘れられない作品です。



2011-04-08
AI KOWADA GALLERY「Gallery artists' show 2011」を観てきました。



許して頂いたんだから
こりゃお礼を伝えなきゃ!ということで
その日は直前迄
近くのサッカーグラウンドで試合をしてたのですが
終了後タクシーぶっとばして行きました。



そしていざツアー参加。
開催は最終日だったので
混んでいたんですが
でもすごく楽しめました!




特に「北欧で共産主義者を胴上げする」のプロセスとか
総ての作品をつなぐ線について等のお話は
とても興味深かったです。

そして同時に

「「まるくす」のお誕生会やったの?たのしかった?
 ロウソクどうしたの??」

なんて息子の疑問をに直接答えて頂いたりして。
息子は「まるくすのお誕生会」がツボだったみたいで
すごく気になっていました。




丹羽良徳さんは総ての作品について
ご自身の言葉で解説して下さいました。
すごく面白かったです。
特にご自身の作品についての掘り下げ方はさすが!て感じましたし
他の作家さんに関しては色々な深みの差も面白かったです。
ええっこの方飛ばす!?的な驚きもあったりして(^^;)。



そして丹羽良徳さんのツアーに参加して
個人的に強く感じたこと。



今回のツアーはtwitterから始まった
とてもプライベートなこと。
twitterで呼びかけがあって別に何も確認せず
当日参加、そして途中参加途中離脱もOKという
すごくゆるい会でした。
もちろん参加費用もなし。(チケットは必要ですが)
WSにはかなり多く参加している私は「これって会として成立するのかな?」
と若干不安を感じていました。
なぜなら展覧会の最終日ってすごく混むし
ツアーって話す訳だから声が邪魔とか
クレームがあったらどうしよう?とか
勝手に心配していたんですね。



でも結果的には特に何もありませんでした。
ツアーに途中参加した人もいたし
話し声や聞く配置について
特に何もありませんでした!



他の方がどう感じたか解りませんが
私はすごくそのことに感激したんです。



好きなものを好きな場所で語り合う。
本来ならとても自然なことなんですが
でも現状ではそれは許されないことが多いのが
昨今の日本の状況。。。



なのにすごく力を入れなくても
それがとても自然に出来ていたあの状況に
すごく感激しました。



そもそも丹羽さんの作品には
「行動」という大きなファクターがあって
丹羽さんが行動を起こすことによって
見ることが出来る景色や
変化する人の心までもが
作品の一部になっていますもんね。




このツアーも、もしかしたら
丹羽さんの作品の一部なのかもしれません。
これからも丹羽さんの活動から目が離せないなあと
思いました。



現在色々な活動のアイデアや野望だけはある私ですが
実際に活動まで起こせることは
殆どありません。
子育てや自分の環境を理由にして
自分で閉じこもってたなあ
自分ダメだなあと改めて感じました。



いい感じの力具合を見つけて
自分ももっと活動していきたいと思います。



そんな丹羽さんのイベントが
恵比寿のNAdiffで開催されます。
ぜひ足をお運び下さい。



-----------------------
丹羽良徳
『公共性を再演する|作品の解説を23種の言語に翻訳する丹羽良徳の2004年から2012年の介入プロジェクト』
祝・第二版重版記念 フェア&イベント


第二版発売記念、制作者対談トーク
2014年1月31日 [金] 19:00 - 21:00
「アーティストブックの条件」


作品と公共性を巡るリレートーク
2014年2月1日 [土] 17:00 - 19:00
丹羽良徳が2人のゲストと共に、「公共性」について対談する連続トークです。

「アートに公共性はあるか?」
時 間:17:00 - 18:00
ゲスト:市原尚士 (読売新聞水曜夕刊ポップスタイル欄編集長)

「公共性に条件はあるか?」
時 間:18:00 - 19:00
ゲスト:岸井大輔 (劇作家、PLAYWORKS主宰)

theme : 美術館・博物館 展示めぐり。
genre : 学問・文化・芸術

2014-01-21

シャトー2F「有賀慎吾/ヴィヴィアン佐藤/林千歩|Orgasmic Reproduction —ざんねんな出産、しあわせな臨終—」を観てきました。


シャトー2Fにて

有賀慎吾/ヴィヴィアン佐藤/林千歩|Orgasmic Reproduction ―ざんねんな出産、しあわせな臨終―

を見てきました。



ぜひ拝見したいと思っていたのだけど
相当遠いので躊躇していたこの展覧会。
勇気を出して行ってきました。
結論ですが足を運ぶ価値がありました。
本当に行ってよかったです。



躊躇していたのは距離だけではありませんでした。
―ざんねんな出産、しあわせな臨終―というタイトルは
私にとって強烈でしたから。
それは私が出産経験者であるからであります。
ちなみに臨終経験はありません。



展示スペースはとても気持ちのいいカフェの奧にありました。
ドキドキしながらいざ会場へ。



★写真の撮影は主催者の許可を頂いております。




まず、ヴィヴィアン佐藤さん。
そこには数々の「出産」から産まれた様々な「生」がありました。
様々な出産、そして臨終。その間には様々な「生きる」がある。
ヴィヴィアン佐藤さんの展示では「ダイアン・アーバス」の作品から
様々な展開が起こります。
特に染色体を連想させる作品が深く心に突き刺さりました。
そしてダイアンは最後に自殺したことを意識すると
彼女はどのように「臨終」を迎えたのか想像が暴走していきます。

フリークスとは何なのか。
フリークスと私は何が違うのか。
私は今をどう生きているのか。
そもそも生きるって何なのか。
生きることを見られる。
生きることを認められる。
「生きる」とは誰の承認によって成立するのか。



気持ちが深くかき乱された状態で次の部屋へ。



林 千歩さんの世界。初めて観る作家さん。
彼女の世界の蛸。大きい。

大きい蛸と言えば葛飾北斎の『蛸と海女』。
大蛸って美術の世界では「性的で生命を象徴する存在」という印象があります。
しかし、この作品世界の蛸からは生命の躍動より
生命を絶たれる、臨終を強く感じます。
私たちはこの蛸の殺傷を連想される映像から目を離せなくなるのです。
落とされた指は人の形となり
立体作品として展示されています。



蛸だからそれは蛸の指じゃないのですが。
でもその指は蛸の臨終を連想させます。
生命の終焉です。



殺傷も臨終の1つ。
その時私は臨終というのは
自分で選べないものが殆どであることに気づきます。
台所で包丁の音をさせてる母親らしき人の
意味について再度考えます。



自分が母親だからかもしれないけど
母親というのは
赤ん坊→幼子→子供→成人を成長していく我が子に
前の段階を終了させる役割を担うような気がします。
つまり

「前段階の存在の臨終を見届ける執行人」

のような存在ではないかと。
映像作品の中で蛸は切断に抵抗しません。
しかし雄弁な目で刀の持ち主を見つめているように見えます。
その姿を見て私も同じ事をしてると思い知らされたような気がしました。




そして有賀慎吾さん。
前から親子で仲良くさせてもらっている作家さんです。
彼自身はとても明るくて素敵なんだけど今回の作品の世界は
私には相当強烈でした。



出産時の色々な想いをダイレクトに思い出しました。



分娩台というのは独特の傾きがあります。
経験上、あの角度は力むことに最適な角度なんだと思います。
母親の体内という
守られた世界から外に押し出すという行為は
よくよく考えてみればとても残酷です。
ずっと守れるのならそのほうがいい、そう思います。



でも母親は産み落とすわけです。
胎児という存在の臨終を見届ける役割を果たすため。
例えそれがお互いにとって不幸であったとしても。



生き物は産まれ、そして死を迎えます。
かつて文明が発達していなかった頃は
淘汰と消滅はとても自然だったはずです。
しかし現在。発達した文明により多くの命が本通りを走っています。
結果として走りながらの淘汰。そして挫折が随時起こります。


走行中の淘汰、挫折は沢山の多くの悲劇を伴います。
有賀さんの作品の世界は悲劇に喜劇的要素をミックスして
この状況から目を背けて
お気楽に女性に出産を薦めるオヤジどもに
猛烈な回し蹴りをお見舞いしているように思えます。



私の息子は出産後病気が見つかり暫くICUでした。
幸い外科手術で治る病気でした。
出産後、退院後毎日ICUに通いました。
そこには本当に沢山のドラマがありました。
沢山のベッドの沢山の物語。
それが物語だったらどれほどよかっただろうと思う気持ち、
今、改めて痛い程解ります。
その時の痛い気持ちの傷が今蘇り作品の世界の中で
私は分娩台や映像作品の物語の中にもう1つの物語を探していました。



もしかしてこれが「有機的な再生産」なのでしょうか。
すべては大きな1つの物語だとしたら
私たちはその物語にどう向き合うべきなのでしょうか。




非常に重厚なテーマを
それぞれの視点で表現していて
すごく見応えのある展示でした。

私は出産を経験してるので
鑑賞者として思い入れを強く感じ過ぎなのかな
という気もしましたが
でも私は私だからそれでいいことにします。
素晴らしかったです。
迷ってる人は絶対に行ったほうがいいです。
オススメします。
1月26日迄。



入場料 500円。ドリンク付きです。

theme : 美術館・博物館 展示めぐり。
genre : 学問・文化・芸術

2014-01-20

東京都写真美術館「路上から世界を変えていく 日本の新進作家vol.12」を観てきました。


東京都写真美術館にて

路上から世界を変えていく 日本の新進作家vol.12

を観てきました。



今回のこのグループ展。
非常に見応えがあります。


今、この世界ではない世界の可視化


というメッセージを
路上からダイレクトに感じることが出来るからかもしれません。



路上。誰でも一度はかならず通る道。
この展覧会の作品達は現実にあるその路上から
「もう1つの世界へ」私たちを誘ってくれます。



まず何回も拝見させて頂いている林ナツミさん。
彼女の作品の浮遊感はとてもクール。
日本人って「必死感」を外に出していないと
行為そのものを認めないような風潮がありますが
彼女の作品の世界はまさに真逆。

でも少しでも写真を撮ったことがあれば
この作品を完成させるまでには
予想も出来ないような多くの時間と
何度も何度もチャレンジする挑戦する姿勢が必須であることに
すぐに気づけると思います。
大変ですよ。マジで。
なので彼女の作品の世界を堪能していると
まさに「今、現実ではないこと」に向き合い
ここではない別の世界に想いを馳せることが出来るのです。



糸崎公朗さんの作品はとても立体的。
実際にある世界の写真を立体化することで
また別の視点がみえてきます。
実際にある世界のはずなのに
今、目の前にあるこの世界は全く別の世界。



私たちは日々の生活の中での不満を
ここではない別の世界で解決出来るのではという
とても都合のいい願望を持っていると思います。
いつか王子様症候群ですね。



写真というのは本来は
実際ある世界をそのまま記録するものでありました。
しかし現在大人も子供もカメラ付携帯を使いこなすようになり
人々は写真の中に「ここにはない世界」を求める様になりました。



確かにここにあるんだけど
写真の中にしかない「別の世界」。
その世界の前で
現実の世界から飛び出すことが出来ない私たち。
写真の中の別の世界からはどんな風に見えているのでしょうか。



オススメします。
ぜひ、足をお運び下さい。



1月26日 ( 日 )迄。

theme : 美術館・博物館 展示めぐり。
genre : 学問・文化・芸術

2014-01-17

養清堂画廊「ながさわたかひろ展「に・褒められたくて」」を観てきました。


養清堂画廊にて

ながさわたかひろ展「に・褒められたくて」」

を観てきました。



何回か作品を拝見させて頂いている
ながさわたかひろさん。

今回は『美術手帖』で何回も読ませて頂いていた

「に・褒められたくて」

シリーズだったので
ぜひ拝見したく伺いました。



「に・褒められたくて」シリーズとは
憧れのアノ人に会いに行き
ながさわさんが写真を撮ります/
それを元に版画を制作、
2枚刷って再びお持ちし、1枚を進呈、
もう1枚にコメントをいただくことで完成。
ながわささん曰く「愛の版画シリーズ」なのだそうです。
ながさわさん一度お話させて頂きましたが
まさにピュア。ピュアな方。
ながさわさんが言う愛、それはガチな愛です。



このシリーズは
他の展示等で何点か拝見させて頂いています。
あまりにピュアで作品の前で私は
息が出来なくなりそうになります。

この愛のシリーズだけって凄そう、
まさにピュアな愛。そんなピュアな空間だったら
私窒息してしまうのではないかしら等
色々な妄想を味わいながら拝見させて頂きました。



シリーズの中で作品を拝見すると
とても作品が雄弁であると感じることが出来ます。
ながさわさんとモデルになった著名人の方の間に挟まれて
【ながさわさんの】話を聞かされているような感覚になります。

モデルになった著名人の方の眼差しは

「ありがとう、あなたの愛ありがとう。。
(でもちょっと重いかも。。ねえそう思うでしょ?)」

という感じで間にいる私たちに語りかけてくる。
背後に感じる押して、押しまくる愛。
ああまさに愛の疑似体験。
そういう愛の嵐の中で作品を拝見すると
ながさわさんの愛と
その愛をありがたく受け取るのだけど
でも予想以上に重いっぐぬぬぬという
大きな感謝とちょっとした困惑と+α
を感じさせるモデルさんたちの表情が
とてもリアルに感じられて
なんだか受け渡しの場に同席しているような
感覚になりました。



愛について、深く考え曝れられる空間でした。
行ってよかったです。



1月18日迄。
お急ぎ下さい!

theme : 美術館・博物館 展示めぐり。
genre : 学問・文化・芸術

2014-01-15

シネマライズ「キューティー&ボクサー」を観てきました。


シネマライズにて

キューティー&ボクサー

を観てきました。


篠原有司男・篠原乃り子二人展を年末に観ました。


パルコミュージアム 「篠原有司男・篠原乃り子二人展 Love Is A Roar-r-r-r! In Tokyo 愛の雄叫び東京篇」を観てきました。


乃り子さんが気になって気になって
鑑賞時からどうしても観ようと思っていたこの映画。
やっと見に行くことが出来ました。



結論から言うととても面白かったです。そして
「若い女性は覚悟して観たほうがえーよ」でしょうか。
私自身結婚して随分時間が経ってまして
色々な体験や迷惑をかけた結果



「家族として生活することは
 他人と始めるということを
認識したほうが我慢することになる」
「我慢を苦痛と考えたほうが結局苦労を呼ぶ」



というのを自分なりに学びました。
あ、別に物質的に苦労をしてきた訳ではありません(^^;)。
ただね。



「男女が二人で住んで」「結婚して」「子供を産んで」「育てて」



という体験を2つ以上してきた女性なら
上記の記述に「あるあるー」と
うなずいてくれると思います。




ちなみに私はこの記述を

「日本で子育てしてる女性なら」

って但し書きをよくつけていたのですが
今回この映画を観て日本女性というものは
「ニューヨークで子育てしても」
日本女性として子育てするんだ!って
実感することになりました。



乃り子さんには
感情移入しまくりでした。特に



「有司男が家からいなくなると家の空気が奇麗になる」



という言葉には思わず身を乗り出しました。
この表現がどうだということより

「その家の支配者がいなくなると家の空気が変わる」

というのにすごく共感したからです。同時に
自分がその支配下にいるということが
自分の精神状態に強く影響を及ぼしていることを
表現しているのかなという印象も受けました。


「女性の芸術家に必要なものは「少しのお金と鍵のついた部屋」」


旨の発言もとても印象的でした。
支配から脱出に必要なのは資金と自分の城と解釈すれば
思いがすべて繋がります。納得です。


この「支配」という表現が
適切かどうかまだ分からないのですが
自分としてはすごくしっくりきます。
でもそれは実質的、政治的、金銭的支配とも違うんです。

それはもしかしたら
自分で作り出した
仮想支配なのかもしれません。



妻としての自分
母としての自分

そして

人としての自分


「3番目の自分でしか自分を表せない」

って日本女性は思い過ぎ
なのかもしれませんね。
そういう私もそうですけど。
どんな私もどれも自分じゃん!
って思えれば
また違うのかもしれません。
でもそう思えないのが
日本女性なのかな。
考えてみたらずっと色々なことを
言われ続けてたら
なんか自分を切り分けて
考えちゃうかもしれませんね。



子供の頃は
いい子でいなさい
女の子らしくしなさい

思春期になったら
清楚でいなさい
勉強しなさい

仕事をするようになったら
女性らしく仕事をしなさい
男をたてなさい
でも成果を出しなさい

年頃になったら
結婚しなさい
家の事をちゃんとやりなさい

結婚したら
子供産みなさい

子供産んだら
仕事辞めてちゃんと子育てしなさい

一人産んだら
ひとりじゃかわいそうだから
もっと産みなさい

子供が大きくなったら
親の面倒をみなさい

年老いたら
旦那の面倒をみなさい



自分で書いてて嫌になっちゃった。
乃り子さんは
とても裕福な家庭だったそうですから
そういう言葉が
ずっと残っていたのかもしれませんね。
だからNYに飛び出したかったのかもしれない。
でも飛び出しても
心の中にずっとしみ込んだ言葉が
消えるわけではなかった。
そして乃り子さんのまなざしを観てると
そういう言葉が残ってる人は
地球のどこにいても
ずっと耳に残っているんだなって
すごく衝撃を受けました。



息子さんとのやりとり等は
私も息子がいるので
強く印象に残りました。



そんな彼女の仮想兵士が
キューティーだったんでしょうね。
実際にキューティーも拝見しましたが
とても嬉しそうなキューティーと
とても悲しそうなキューティー。
それぞれがとても自由、支配されていないんですよね。
乃り子さんはキューティーに出会えて本当によかった。



これからの日本女性は
それぞれのキューティーを見つけられれば
もう少し明るいのかな。



今、私達のまわりの子供達は
私たちの色々な言葉を聞いて
育ってきてる訳ですよね。
そして私たち以上に
大量な情報の波に
揉まれて日々生活してるんですよね。

彼らの心の中には
どんな言葉がしみ込んでいるでしょうかね。
私たち大人はまず、どうしたらいいんでしょう。。。



色々なことを考えされられた
映画でした。
オススメします。
特に女性に。



映画館、上映時間などの
詳細情報は
公式ホームページをご参照下さい。

theme : 美術館・博物館 展示めぐり。
genre : 学問・文化・芸術

2014-01-10

無人島プロダクション「風間サチコ 展 「プチブル」」を観てきました。


無人島プロダクションにて

風間サチコ 展 「プチブル」

を観てきました。



以前から注目させて頂いてる風間サチコさん。
今回は彼女の過去の作品から新作まで
色々なスタイルの作品を観られると聞き
楽しみに出かけました。

(本当は初日に行きたかったんだけど
あまりに寒過ぎました。。。。orz)




風間さんの作品は
日々日常で私たちが感じる怒りや疑問や憤りを
とてもかっこよくすくいとってくれます。
そして版画というスタイルを飛び越えて
心からの「表現」という形で
私たちに直接訴えかけてくるのです。




自分が日々感じている憤りを
ここまでかっこよくデザイン化してもらえると
感心を通り越して
もう笑うしかないレベルになってしまいます。
各所に鏤められているユーモア的部分が
そうさせているのかもしれません。



そして今回は基本2011年3月11日以前の作品が多いので
「日本列島1億人中流時代」を表現した作品が多く
私個人が余裕を持ってその時代を振り返れるから
彼女の作品の中のユーモアがとても愛おしく感じるのかもしれません。




そして風間さんの解説がまたすんごい。
これを観ながら、そして作品を思い出しながら
御飯3杯いけちゃいますね。




ああこんな風に日々の憤りや疑問を具現化出来たら
きっとスカッとするだろうなあ。
一緒に「ですよねーーーー!!!」とか言いたいなあ。
風間さんと一緒にこたつでミカン食べながら
朝のワイドショーとか観たら
すごく面白いだろうなあって
勝手に想像してしまいました。




風間さんの表現方法は多岐に変化していきます。
布への展開、そして猛烈なタイトルに
思わずのけぞりました。




そして最後にぶっとんでしまったのが新作のこちら。
消しゴムはんこ&はんこ入りのご自身の名刺。
並んだ消しゴムはんこ圧巻。
もう1つ1の文字が、スタイルが、そこにあるという事実そのものが。







基本風間さんの作品は1回刷りのみだそうなんですが
こちらの消しゴムはんこは購入すれば何回でも押していいそうです。
ああ猛烈にグラグラします。
片っ端から押してしまいたい。
でもうち息子がいるので
勝手に消されちゃったりしないように
猛烈に気をつけなきゃとか思ったりして。



私は今迄風間さんの作品というのは
木版以外基本知りませんでした。
なので今回のこの新しいスタイルや
初期の和紙を繕った作品等過去も現在も

「新しい試みにチャレンジし続けてる」

という姿勢に強い感動をかんじました。
かっこいい、かっこよすぎです。



超オススメします。
凄いです。
六本木クロッシング等で
風間さんの作品が気になったそのあなた!
絶対に見たほうがいいです。
本当に風間さんにはこれからも目が離せないなあって
改めて感じました。



1月19日(日)迄。
無休です。

theme : 美術館・博物館 展示めぐり。
genre : 学問・文化・芸術

2014-01-05

8/ ART GALLERY/ Tomio Koyama Gallery「三宅信太郎展「Sitting on a Chair, Eating Bread」」を観てきました。


8/ ART GALLERY/ Tomio Koyama Galleryにて

「三宅信太郎展「Sitting on a Chair, Eating Bread」」

を観てきました。



ちょと久しぶりのヒカリエです。


小山登美夫さんのギャラリーじゃないような
とても自由な展覧会に出会いました。







いざ空間に入ってみるとまさに自由。
書きたい感情をぎゅーっとつめて
そのままぽーんとぶつけたような自由さです。
見ていてワクワクします。
そして私はそのワクワク感を安心して楽しんでる自分に驚きました。
この安心感はなんだろう?




ライブドローイングもあったそうです。
(伺ったのは去年なのできっと今はもっと書き込まれているはず!)




そして結構見入ってしまったのが
映像作品。なんかすごくまっすぐな感覚を演じてる作品。
見てて安心して楽しめます。




なぜ安心して楽しめるのか。それは
まっすぐ感を綿密な計算で演じてる感じがするんですよね。
子供の表現って自由ですがとてもヒヤヒヤするんです。
私が子育て中だから尚更そう感じるのかもしれないけど。
大人がスマートに子供らしい自由を演じている世界でした。
私はこの感じをとても好意的に解釈しました。
安心して楽しめる世界です。
ぜひ足を運んで頂きたいと思います。




1月13日迄。
無休です。

theme : 美術館・博物館 展示めぐり。
genre : 学問・文化・芸術

2014-01-03

東京国立博物館「博物館に初もうで 2014」を観てきました。


東京国立博物館にて

博物館に初もうで 2014

を観てきました。



久しぶりのトーハクです。
今年の「初もうで」は三が日に来ることが出来て
とても嬉しいです。






まずは獅子舞に。
いつも行ってるお寺に獅子舞がいなかったんです!
なのでここで会えて嬉しかったです。




そして展示をざっくりと。
今回は息子が前から好きだった
長谷川等伯の「松林図屏風」に再会することが出来ました。
ちなみに前回の感想はこちら。

2010-03-05
東京国立博物館平成館「没後400年特別展「長谷川等伯」」を観てきました。


今は水墨画も習っているので尚更のめり込んで観ていました。











その他には午をテーマにした展示等もあり
干支を意識いたとてもお正月らしい世界が広がっていました。
いいですねーこういうお正月。




そしてイベントも素敵です。




いけばなは素晴らしかったですし




和太鼓もとてもお正月らしかったです。



三が日が終わると人の流れが落ち着きます。
1/13までいけばなが展示してある期間に
ぜひ足を運んで頂きたいと思います。



その際注意して頂きたいのが
現在のトーハクは食事をする場所が1点のみということです。
お安く済ませたい場合は
お弁当を持ち込んでベンチで食べる等
工夫が必要です。




そして通路は広いので
ベビーカーでもOK!
しかも写真撮影原則OK!!
たくさんの思い出を作って下さいね。




展示は1月26日迄。

theme : 美術館・博物館 展示めぐり。
genre : 学問・文化・芸術

2014-01-01

新年あけましておめでとうございます


息子が書いた水墨画でございます。



2014年になりました。
あけましておめでとうございます。

今年は激動の年になりそうです。
激動なら激動で受け止めたる!という感じで
イケイケドンドンで行きたいと思います。

「ああすればよかった」と後悔しないようにしたいです。
見たい展示をどんどん見に行きたいと思います。


今年もどうぞよろしくお願い致します。

theme : 思うこと
genre : 学問・文化・芸術

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