2012-09-28
東京画廊+BTAPにて「沈崇道個展『毛沢東肖像画』」を観てきました。

東京画廊+BTAPにて
「沈崇道個展『毛沢東肖像画』」」
を観てきました。
最近旦那さんの仕事の変化があり
海外を非常に意識する生活を送っています。
「毛沢東」というキーワードは
現在のアジアの状況において
非常に重要と直感的に感じたので行ってみることにしました。
今回は毛沢東の肖像画12点が展示されていました。
沈崇道さんはまだご存命なんだそうです。
ごめんなさい文革の頃に既に大ベテランの方なのだと信じきっていました。
彼は1963年に浙江美術學院(現中国美術学院)油絵学科を卒業して
上海美術設計公司に入社しました。
(公司というのは会社って意味です。)
こちらで沈崇道さんは
司国家主席・毛沢東の肖像画を担当した数少ない画家の一人でした。
当時肖像画は制作を制限され限られた公司のみで制作され
制作には細かいルールがあったそうです。
という基礎知識と共に鑑賞を開始。
そこで私は「予想と違う印象」に戸惑いを覚えます。
文革等についての歴史的印象から
「肖像画には威圧的なパワーが直線で出てるに違いない」
と思い込んでいたのですが。。。。
ギャラリーにはとても穏やかな雰囲気が
流れていました。
資料を見るとなんか納得。
本展で展示する作品は、すべて上海美術設計公司を退社後制作されたものだったそうです。
ちなみに彼は退社後も沈は当時の映像や新聞記事から毛沢東の写真を採取して
肖像画の制作を続けていたそうです。
規制が厳しいのは続いていたはずなのでこれらの作品は
私的に制作されていたのでしょうか。
「おじいちゃんが語る昔話」に登場するヒーローのような
強い郷愁感のようなものを感じさせました。
そしてこの「現代に結びついていない感」が
猛烈な悲しみと同時に
「この展覧会この時期に東京という場所で開催されたという事実」
について沢山の色々なことを考えさせられました。
9月29日迄。
theme : 美術館・博物館 展示めぐり。
genre : 学問・文化・芸術