2012-01-20
ギャルリー東京ユマニテ「村井進吾展 「黒体 2011」」を観てきました。

ギャルリー東京ユマニテにて
「村井進吾展 「黒体 2011」」
を観てきました。
「石」という存在には永遠を感じます。特に黒御影石には。
それは日本人の自然観とはまた違った存在でもあるでしょう。
天災と常に隣り合わせである日本人は
「形あるものは必ず壊れる」という自然感からでしょうか。
朽ち果て土に帰る「木」のほうが親近感がわくような気がします。
石というものが持つ「永遠性」は異次元的な印象も持ちます。
墓石に感じる異空間な存在感。黒御影石は墓石に使われますもんね。
以前の村井進吾さんの作品は湛然に磨き上げられ
隙が全くなく強い強いエネルギーを感じました。
それは異次元に通じる厚い重い扉のようでした。

今回の展覧会ではとても自然なラインが産まれていました。
とても自然を連想させる力強いラインでした。
どんな変化があったのだろう。
今回の展示の中で1つ写真での展示がありました。
「雨引の里と彫刻」(茨城)展示風景という作品です。
「雨引の里と彫刻」サイトはこちら。
こちらは屋外展示中心の展覧会だそうです。恥ずかしながら存じ上げませんでした。
私は今まで村井信吾さんの作品は屋内のみでしか作品を拝見したことがありませんでした。
写真を拝見し作品がとても違う印象であることに驚きました。そこで
「屋内、屋外で作品は何かが違いがあるのですか?」
とスタッフさんに聞いてみました。すると「特に違いはない」との返答が。
しかし私の中でこの屋外作品の印象の違いががとても気になりました。
自然の光を浴びると
とても強いメッセージ性を感じるなあというのが
写真から受ける印象でした。
そして更にお話を伺うとこの展示は
3月11日の震災の影響で3月21日に終了となったそうです。
作品そのものには破損はなかったそうですが土台がゆがみが出てしまったとのこと。
永遠(だと思っていたもの)が自然の力で簡単に変化する現実。
今まで当たり前だと思っていた関連性は実はあっという間に壊れてしまう。
そんな体験から作品に自然感が出てきたのかなあと
個人的に感じました。

自然感と共に土台感が強くなってきたのも印象的です。
大地の力を感じさせるには横に広がることは必然的なことなのかもしれません。
写真では分からない驚きを体感出来る展覧会です。
ぜひ足をお運びください。
1月28日(土)まで。
日曜日休廊です。【月曜日開廊しています】
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theme : 美術館・博物館 展示めぐり。
genre : 学問・文化・芸術