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2019-01-28

【Singapore】Aloft at Hermès「Vanishing Workflow by Xavier Antin」を観てきました。




Aloft at Hermèsにて

「Vanishing Workflow by Xavier Antin」

を観てきました。


以前、Noriko Ambeさんの展示をお手伝いしてから
特別な場所になったAloft at Hermès。今回のシンガポール訪問の際も
もちろんと出かけたのですが
今回はとても、とても驚くべき展示でした!




4階に上がると、美しくデザインされたタペストリーと花束がありました。
ふーんと思いながら観ているとお兄さんが

「説明させてもらっていいですか?」

何かなあと思いながら伺うと


「このインスタレーションは
シンガポールで撮影された植物のデータと
ビットコイン市場が連動して作成された作品なんです」


!!!!!!!!


あとで調べたのですが
この作品を作ったフランス人アーティストXavier Antinさんは
インタビューにて


「展覧会はシンガポールで行われています。
この国の持つ設計された公園や庭園の緑豊かな熱帯、
そして世界の重要な銀行と金融サービスが集う国です。
この事なる重要性の共存に影響を受けています」



旨のコメントをされています。




たしかにその通りなんです。
今、マレーシアに転居したからわかるけど
シンガポールの公園、庭園というのは
設計された美しさと合理性が熱帯雨林の中で
とてもシステマティックに設計されていると感じます。

シンガポールにおける緑化政策は政治主導で行われてきました。
国土が淡路島程度しかなくトップダウンで政策設定が可能だったこの国では
外国の投資や企業および観光の誘致を率先して行うことが死活問題でした。
その政策をより円滑に進めるために

「熱帯だけど住みやすい街作り」

として緑化政策、公園や庭園設定が
国をあげて行われたのです。


政策を円滑に行うために
街で植栽された樹木すべてのデータ
(植物の情報や過去の病歴、対応履歴など)が
データベースで管理されています。


そしてビットコイン。


私は日本に住民票がないので
納税の関係で仮想通貨市場を体験したことはありません。
ビットコインとはなんぞやレベルなんですが
暗号理論を用いて安全性を確保、
発行が管理されたされた仮想通貨であるとのこと。

ちなみにビットコインはサトシ・ナカモトという人が
作ったそうなんですが
これが実在してる人かどうかもわかってないそうです。

そして市場はPeer to Peerという
複数の端末間で通信を行う形式で中央組織のない形で
運営されています。
ビットコインはブロックチェーンと言われる方式で
運営されているとのこと。


詳しく知りたいからはここら辺からどうぞ。

ビットコイン出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』


ビットコインの仕組みを分かりやすく解説 <概要を知る>


P2Pネットワークとブロックチェーン


 

ちなみに、シンガポールは他の国よりいち早く

「ビットコインに対して政府の公式見解を明確化」

した国です。
ビットコイン取引も盛んで、2014年時点で
過去数年間に渡る投資によって
シンガポールにおけるビットコインの流通量は
100億ドル以上に到達しています。



この2つの大きな特徴が
このアートスペースに組み込まれているとは。。。胸熱!
っていうかこんな作品、
シンガポールでしかできないやん、すごいやん。


ちなみに花束も
オンラインbitcoin取引プラットフォームに接続されているとのこと。
この彫刻はそれが利益を上げるたびに
展示スペースに花の花束を注文するようにプログラムされているそうです。



ってなると利益が上がるたびに、
花束だらけになる可能性もあるってこと。。。????
そして利益が上がらなければ花束はそのまま。。
そう、枯れていくしかないそうで。


「テクノロジーと自然のコラボ」
をテーマにした作品は数多く拝見したことがあります。
でもここまでテクノロジーとアートを
ライブでコラボした作品は初体験でした。凄っ。


シンガポールでしか出来ない展示だと思います。
そしてシンガポールの政治、歴史知った上で
体験するともっと面白くなる展示です。
現代芸術って
こんな風に過去と現在と未来を繋げていくのですね。



必見です。
是非、足をお運びください。


3月10日まで。
エルメス路面店の4階なので
ちょっとおしゃれして
どうぞお出かけください。

参考動画:
Aloft at Hermès’ latest exhibition by Xavier Antin explores technology, Bitcoin and flowers…
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theme : 美術館・博物館 展示めぐり。
genre : 学問・文化・芸術

2019-01-25

【Singapore】Mizuma Gallery「Hopes & Dialogues in Rumah Kijang Mizuma」を観てきました。



Mizuma Gallery にて

「Hopes & Dialogues in Rumah Kijang Mizuma」

を観てきました。


Singapore Art Week(SAW)、開催中です。
今年の開催は2019年1月19日 から27日まで。
アートステージシンガポールが突然キャンセルという
びっくり(でも納得)展開があり
静かにざわざわしてる今年のSAW。
最初に参加してから丸5年が経とうとしてるのかと思うと
そりゃ息子さんも中学生になるわな!と改めて思います。
最初の頃はアートステージもとても盛況できたね。。
懐かしいですね。。




この展示はSAWの一環としての展示。
今回はRumah Kijang Mizumaに参加した
メンバーのグループ展とのこと。
仲良くさせて頂いている岡田裕子さん参加ということで
伺わせて頂きました。

Rumah Kijang Mizumaは、
ミズマギャラリーのエグゼクティブディレクターの三潴さん、
キュレーターのHermanto Soerjanto、
アーティストのAngki Purbandonoによって
2014年に設立された共同作業スタジオおよびアーティストの居住スペースです。

私たちも一度伺わせて頂いたことがありますが、
とてもハッピーなエネルギーオーラが溢れている場所です。

ちなみに「Kijang」って意味知らなかったんですが
「鹿」って意味なんだそうですね。
近隣にはアートスペースが多く、
そして美味しいカフェやイタリアンレストランも多いんです。
アーティストAgan Harahapはここの家族と住み、
スタジオ、事務所、アーティストの交流スペースを
とても暖かく運営していました。








ここでは合計22人
(インドネシア7人、日本人15人)の
アーティストが2週間から9ヶ月の間滞在していたとのこと。
近所には生き生きとしたストリートアートなどもあり、
とてもポジティブな活気が溢れていた事を今でも思い出します。



今回の展示はそのアートスペースで製作された作品、
それぞれのアプローチが本当に面白い。




訪問の目的であった岡田裕子さんの「カラダアヤトリ」。
カラダアヤトリは体全体を使って
大人や子どもがあやとりをする様がビデオに収められた作品。
これがまたね。日本の様々な場所や
インドネシアなどで行われてるんですが、
縄ってなんてまあ七変化するだろう!?って思いましたね。

歌舞伎町ではプレイっぽく、
教室内で授業っぽく、
そしてインドネシアでは儀式っぽく。

単なる縄のはずなのに、ものすごく違う。
これは日常で人はその人そのもののみのはずなのに、
環境や、置かれ方、そして使われ方で様々に変化していく
ということを示しているように見えます。

そして同時に片方で「相手をわかった」と思いこんでしまう危なさを
提示してくれてるような気もします。

ジョグジャカルタでもない、日本でもない
このシンガポールで
この縄をどう捉えるか、
なぜ自分がそう思ったかを
考えてみたいと思いました。




その他に印象的だったのはYamamoto Ryukiさんの「PORTRAIT DIARY 」。
これは自分の周り(ご本人のコメントだと3M以内)にいる人の
肖像画を日記風に書いた作品とのこと。
70年代的な要素もあってとても作品として面白かったんだけど
スタッフさん曰く山本さんはこの作品の製作過程で明らかに
「変わった」そうで。最初はとてもシャイだったんだけど
作品が仕上がっていく過程でどんどん開放的になっていったんだそうです。
場所の力、人の力、人の思いなどがとてもポジティブに現れていて
観ていて元気をもらえる作品でした。


私自身、インドネシアのハッピーマインドが
とにかく大好きなんですよね。
彼らの前向きさ、行動力、そこに資源と財力のある人がつけば
すごいことが起きるのは時間の問題。




若いアーティストさんによく
「一度東南アジアに行ってみようかと思うのですが
どこに行けばいいのでしょう」
と相談されることがあるのですがその際は
「インドネシアがいいと思うよ!」
と話します。

あのポジティブさは若いうちに絶対に触れてほしい。
今の日本ってなんかネガティブマインドにあふれているから
なおさら。


3月19日まで。
開催の詳細はギャラリーの公式FBページをご参照ください。

theme : 美術館・博物館 展示めぐり。
genre : 学問・文化・芸術

2019-01-13

【Kuala Lumpur】A+ Works of Art「The Enmeshed」を観てきました。



A+ Works of Artにて

「The Enmeshed」を観てきました。


今回はタイのアーティストのグループ展。
ここで1つ疑問が。ここはマレーシアだけど、なんで???

それはこの展覧会のテーマに

「タイのイスラム教」

というキーワードがあります。
タイは仏教国なのでイスラム教は少数派になります。
全体で400万人ほどだそうです。
外務省のデータを見ると全体の人口が6500万人程度なので非常に少ない。
国内のムスリムの大部分は、南端3県に居住していてその多くがマレー系なんですね。
タイ語とはかなり違う言葉を話して独自の文化を築いているそうです。


なぜこの3つの地域のみがイスラム圏なのか。
それはかつての支配下関係が絡んできます。
かつてこの地域にはマレー系の地方都市国家群がありました。
しかし1909年の対英条約締結の際、
クランタン、トレンガヌ等の支配権が英国に譲渡されました。
現在のマレーシア領に組み入れられたのです。
つまり、マレー文化圏が国境で分断されることになったのです。
残った3つの地域はタイに組み込まれることになりました。

このようなプロセス故
当然のことながら独立運動が定期的に勃発していたようです。
そして近年は教育を通じて
ムスリムを仏教社会に取り込む活動が継続的に行われているようです。

公共教育にイスラム教育が取り入れられたりなど
イスラム教徒の子供達の教育は
彼らのアイデンティティを尊重した形で積極的に行われています。

しかし、教育を受ける側のとしてのタイのムスリムにはまた違った感情もあるようです。

参考;
【チャオプラヤー川に吹く風(56)】タイ国の教育事情 その5~ムスリムへのイスラム教育(前編)
http://www.link-gs.co.jp/column/c03/saitou/post-39.html

【チャオプラヤー川に吹く風(56)】タイ国の教育事情 その5~ムスリムへのイスラム教育(後編)
http://www.link-gs.co.jp/column/c03/saitou/post-43.html



歴史のお勉強はこのくらいにして、
この展覧会とても見ごたえがありました。
私なりに感じたポイントをご紹介。



宗教の持つ多大な力はその宗教を信じていない者でも
思わず引き込まれます。
別にその宗教を信じていなくても
宗教施設に入ったら厳かな気持ちになりますよね。
Maelae’s pieceの作品

「Grace and Time Transformation」

はまさにそんな作品。



イスラム教は毎日5回、お祈りをするのですが
この作品は
その祈りを文字と蚊帳記事で表した作品は
まさに息をすることを忘れるような美しさです。

で、私、この作品見た時に既視感感じたんです!!
先日マラッカに家族旅行に行ったですが水上モスクっていう
とても有名な場所があるんですね。
水上モスクなだけあってもちろん海辺にあるんですが
そこの美しさは本当に綺麗で。。。。



その時の海の美しさにも本当にうっとりしたのです。


その海が。。。見事に再現されてました!!!

信仰に対する純粋な信頼が
自然に対する尊敬と見事に融合していて
こりゃすごいって感動しました。


そしてもう1つ。
バンコクビエンナーレでも思ったんですが
タイのアーティストって

「作品に微笑み要素を取り込むのが上手」

な人、多いと思います。



Amru Thaisnitの作品「The Memento」もまさにそんな作品。
この作品で彼はタイ南部で起きた反乱軍の犠牲者を追悼しています。


信じてる者、信じていた人、信じていた土地を守るために
犠牲になった人を追悼するために弾薬を形どった墓を作り
彼らへの追悼の思いを表します。

で、



最後リアルに寝とる!!!
こんなところに微笑みを感じますね。


その他の作品もとても自然で力強くて
ちょっとクスってしてしまうような微笑み感があって
とてもエネルギーのあるグループ展でした。


東南アジアの歴史と紐づけて鑑賞すると
より深みが感じられるので
もっと色々勉強していきたいと思います。


1月31日まで。
Kuala Lumpurにお越しの際は是非足をお運びください。
詳細は公式FBページをご参照ください。

2019-01-11

【Kuala Lumpur】Richard Koh Fine Art「YEOH CHOO KUAN – STREAMING MOUNTAIN」を観てきました。



Richard Koh Fine Artにて

YEOH CHOO KUAN – STREAMING MOUNTAIN」を観てきました。


2019年最初のギャラリーです。
最初にふさわしい、とても雄大な作品です。



マレーシア出身、現在KL在住の
Yeoh Choo Kuanさんの個展は
このギャラリーでは3回目とのこと。
私たちは初めて拝見しましたが
とても素晴らしい世界でした。



全て白黒の単色作品なんですが
そこには鮮やかな風や空気を感じることができます。
そして何でしょう、そこにはとても
宗教的な厳かな感触を感じることができます。

入り込んだ道の角を曲がって初めてお寺の敷地内に入った時のような
そこだけ空気がさらっと変わるような
守られてる感を感じることができます。

資料を拝見すると
Yeoh Choo Kuanさんの幼少時代、近くにお寺があったとのこと。
KLのDasein Academy of Art,にて2010年に Diplomaを現在美術で
取得されていますが、表現に個展中国式の香りを感じるのは
そういう個人的な背景もあるようです。

中国の古い水墨画を連想させるようなタッチでありながら
ジャクソン・ポロックさながらの
action paintingのような力強さも感じることが出来ます。
同時に作家さんそのものの若さ故のエネルギー
(このエネルギーは陰陽、両方感じました)
が静かにみなぎっていて
とても過去と現代、未来を行き来できるような
世界観を体感することが出来ました。



息子が以前水墨画を習っていた関係で
しみじみ感じるのですが
このような白黒の世界って
全然白黒じゃないんですよ。

とても鮮やかで、エネルギーを感じることが出来て、
そこに天国も地獄も見えてくるような
物語が見えてくる。

なんて表現豊かなんだろうと
驚いたことを改めて思い出します。





今年もこのように
東南アジアのアーティストの展覧会を
色々紹介していきたいです。
付き合ってくれる息子さんに深く感謝します。
(というかギャラリーの人もアーティストさんも私より息子が好き😅)


1月30日まで。
開場は不定期です。
詳細はギャラリーサイトにお問い合わせください。

theme : 思うこと
genre : 学問・文化・芸術

2018-12-13

A+ Works of Art 「Break, Bind & Rebuild a two-person exhibition featuring Amy Lee Sanford and Tith Kanitha,」を観てきました。



A+ Works of Art にて

「Break, Bind & Rebuild a two-person exhibition featuring Amy Lee Sanford and Tith Kanitha,」

を観てきました。


 ほんと、パーティーが苦手です。
4人以上だと、実は脇に変な汗かいてます。
なので今回もオープニングではなく
別の日にこっそりと伺いました。

それにしても
夕方のKLの雨は心をへし折りますな。




Amy Lee Sanford さんと Tith Kanithaさんは両方ともカンボジア、プノンペン産まれだそうです。
でも二人の人生はとても違っているそうで

Tith さんはプノンペンで過ごしておられるとのこと。
Tithさんのアーティストプロフィールを拝見すると
ここにも出ていた「SUNSHOWER」。
調べてみるとカンボジアの住民の家を再現した作品でした。
こちらに動画あります。
これ、実際に入ることができて、そして可愛かった。



今回の作品は再現の要素はなく、とても硬質な感じ。
でも近くでみると、とても躍動感があってなんか動きだしそう。

金属なんですが全然冷たさを感じないんですよね。
なんかゆらゆら「たゆたう」クラゲみたい。




Amyさんはプロフィールを確認すると
カンボジア人だけどほとんどをアメリカで過ごしてるようです。

この壊れた壺「Break Pot」というのは継続して行われているパフォーマンスの模様。
この作品は1970年代のカンボジア人虐殺に関連した

家族の分離
文化的破壊、
死についての個人、または歴史的意味、

そしてそれに続く
数十年間の長く遅い再現の歴史を指しているとのこと。

だそうです。

とても直接的だけど、でもとても遠く感じる。
それはAmyさんがアメリカが拠点というのもあるのかも。
一緒にすな!かもしれませんが
自分のルーツと遠く離れて生活すると、
自分の拠点について考えれば考えるほど
遠くなるような感覚に陥るときがあるんですよね。

壺を壊すパフォーマンスはアイ・ウェイウェイ
でもありましたがまた違った感覚を感じました。




Scaningは両親の手紙をスキャンしていく様を記録した映像作品。
ここで感じるのは「デジタル化」ってほんまに永遠なの?ってこと。
どうこういながら粘土板とかは何千年前のものが目の前にあるのに、
数十年前のデジタルデータサービスがいきなりなくなってしまったらそのデータは消滅してしまう。




このScanningという行為はとても未来と過去を行き来してる感じがしました。




足を運んで、その場に立って。
しっかりと感じて。

という行為をきちんと行っていきたいです。
ほんと、気持ちいいので。

ゆっくりペースですが
よろしくお付き合いください。


12月22日まで。
詳細は公式FBページをご参照ください。

theme : 美術館・博物館 展示めぐり。
genre : 学問・文化・芸術

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