2018-06-02

一般鑑賞者目線で芸術祭とアートツーリズムを分析してみた



シドニービエンナーレに行ってきました!楽しかったー。
帰りの飛行機でのんびりしていて気がついたんですが私も、うちの息子さん。芸術祭めっちゃ見てる!

日本も海外も芸術祭増えましたよね。
せっかくなので今回はここ数年親子鑑賞した芸術祭を「一般鑑賞者目線で」比較、分析してみたいと思います。
今回比較するのはこの5つ。
あくまでも一般鑑賞者目線なのでどうぞよろしく。

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シドニービエンナーレ 
開催場所:オーストラリア、シドニー。
訪問時期:2018年5月




クアラルンプールビエンナーレ
開催場所:マレーシア、クアラルンプール
訪問時期:2017年11月~2018年3月

2018-04-27
君はThe National Art Galleryで開催していたのKL biennaleを知っているか!?!



シンガポールビエンナーレ
開催場所:シンガポール
訪問時期:2016年10月~2017年3月

2016-11-10
Singapore Biennale 2016 「An Atlas of Mirrors」が開幕しました!



横浜トリエンナーレ
開催場所:神奈川県横浜市
訪問時期:2017年10月

2017-10-10
ヨコハマトリエンナーレ2017「島と星座とガラパゴス」 を観てきました。




瀬戸内国際芸術祭
開催場所:ベネッセアート直島他
訪問時期:2016年9月

2016-07-16
瀬戸内国際芸術祭、夏会期が7月18日より始まります。
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「シドニービエンナーレではこんな体験型作品も」

前提: 一般鑑賞者がビエンナーレに行く理由

うちのような家族は例外中の例外で、ビエンナーレ目的で出掛けてる日本人家族は少ないと思います。その都市を観光で訪れたからせっかくだからいってみるかというのがきっかけでしょう。「まずは、ついでに訪れる気軽さ」がポイントになるような気がします。




「横浜トリエンナーレではいつもと違う美術体験が」

芸術祭の家族鑑賞をオススメしたい理由

家族で美術鑑賞したいけど、でも子供が騒いだらどうしよう、保護者だったら一番気にするポイントです。その点芸術祭は「祭」なので多彩な人が来るので普段より騒がしい度が増しているので安心です。迎える側も「祭」を意識しているのであらゆる層に対応する体制が出来ています。家族鑑賞に過敏に反応されないというのは連れて行く保護者としてはとても気持ちがいいものです。
そして芸術祭によっては開催場所の美術館の割引、または無料鑑賞が可能の場合があります。いつもよりお得に入れると万が一子供が騒いでも保護者はそんなにショック受けないですよね。。
というわけで、芸術祭は家族鑑賞にオススメなのです。
でも芸術祭も色々な仕様があります。どんなものがオススメでしょう。




「シドニービエンナーレは船に乗って島に行ったり都市の美術館で見たりする複合型。」

1: 都市型か、冒険型か、それとも複合型か

開催都市にもよりますが祭度が上がるのは冒険型。船とか乗るなんて最高ですね。瀬戸内国際芸術祭の冒険度は素晴らしい。スタンプ制度も賛否両論ありますが家族鑑賞時にはエンタメ度が上がるので私は好きです。
でも冒険型だと簡単に行けないというのもあります。その点、1つの会場や都市で開催されるクアラルンプールビエンナーレや横浜トリエンナーレは「ついで」でも訪問しやすいと思います。
両者の複合型もあります。シドニービエンナーレのコッカトゥー島はフェリーで行くけど本数も多く気軽に行けるのはとてもグットでした。




「開催期間の間に訪れると瀬戸内国際芸術祭もゆっくり鑑賞できます。こちらは犬島。」

2: 訪問時期

芸術祭開催中だと祭度が高ければ高いほど人は多く集まります。美術館開催がメインだと祭度が若干下がるので開幕、閉幕時期を外せば落ち着いて鑑賞できそうです。長期開催の場合は会期間訪問という裏技もおススメです。瀬戸内国際芸術祭は春、夏、秋と行われるのですが短い期間なら(場所ごとに入場料がかかりますが)その間に訪れるととても落ち着いて鑑賞できます。




「シンガポールビエンナーレはとてもコンパクトで回りやすい」

3:会場数

会場が美術館メイン開催の場合は1箇所でも満足出来るので非常に回りやすいです。都市開催だと交通手段も複数あるし回りやすい。シンガポールのようにバスや徒歩で簡単に回れたり、横浜トリエンナーレのように巡回バスが出てる場合もあります。
冒険型は回る場所が多いので小さい子がいる場合は行く場所を選ばないといけません。冒険には、準備が必要です!




「クアラルンプールビエンナーレは五ヶ月間全部無料!太っ腹!」

4: 入場料

クアラルンプールビエンナーレは五ヶ月間の開催なのに無料でした!なのちょこっと行ったり向かいのカフェでお休みついでに行くとか色々出来ました。シドニービエンナーレもオペラハウス以外は無料。この無料というのはとてもフレンドリーです。




「直島のベネッセアートミュージアムのレストランはアートと食と自然の融合を体全体で味わえます」

5: トイレ、レストラン

家族鑑賞で大事なポイント。美術館は基本トイレは綺麗です。
冒険型だとトイレは冒険度が上がりますがでも通常よりかは行きやすいのではないでしょうか。
荷物を預けるロッカーや休憩できるレストランも美術館ならすでに併設されています。そしてレストランが子供慣れしてるのは大きいです。
都市型美術館での開催の場合は元々美味しいレストランが多いので食べる場所には困らないでしょう。
冒険型のレストランは訪問の目玉でもあるので本気で美味しい。でも若干高め。そして冒険型の場合は帰らなきゃいけないので飲み過ぎにはご注意下さい。




「シドニービエンナーレはグッズはこちらのカタログのみでした」

6: カタログ、記念グッズ

ここは開催側の意向でわかれるようです。
日本の芸術祭のグッズは可愛い。本当に可愛い。横浜トリエンナーレと瀬戸内国際芸術祭のグッズは本当に可愛いです。でも、瀬戸内国際芸術祭は会期の間だとグッズ販売がストップしてしまうのが残念でした。その点横浜トリエンナーレの充実度はすごかった。赤レンガ倉庫のショップは気がつくと財布の紐が緩みっぱなしでした。
クアラルンプールビエンナーレは長い開催期間に合わせて薄いカタログから厚いカタログが完成という新しいスタイルでした。




「ビエンナーレは基本撮影可。インスタ映えバッチリです。こちらはシンガポールビエンナーレ」

7: まとめ

全世界で行われている芸術祭。家族で訪れる際には「気軽に見るか、じっくり見るか」「都市型か、冒険型か」がチェックすべきポイントです。
そして「祭り」なのでその都市との関係性がキチンと表明されている芸術作品も多いです。たとえその時子供がその芸術の意味がわからなくてもその場で鑑賞することにとても大きな「意味」を感じてくれると思います。
そして、芸術祭は(諸事情によってかわりますが)基本継続して開催されます。その年齢の時に訪れたこと、それは子供にも、連れていった保護者にも猛烈に記憶に残ります。そして子供が成長した時に、その記憶を味わいながらその子の家族と訪れるような未来ってとても素敵だと思うのです。
これからも日本各地、世界各地で芸術祭が行われます。ぜひチェックしてみてください。
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genre : 学問・文化・芸術

2018-05-17

The National Art Gallery 「NATEE UTARIT – OPTIMISM IS RIDICULOUS」を観てきました。

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The National Art Galleryにて

「NATEE UTARIT – OPTIMISM IS RIDICULOUS」

を観てきました。


こちら、いつもお世話になっているRichard Koh Fine Artさん所属の
アーティストさんだそうです。


個人的にいい加減すぎていい感じにツボに入りまくりの
The National Art Gallery。
これは行くしかない!ということで行ってみました。


「OPTIMISM IS RIDICULOUS」。
「楽観主義は滑稽だ」って感じでしょうか。


ここには数々の動物達が写実的だけど非現実的に描かれています。
そしてそこにはなんだか「これ、動物じゃないみたい」的な
錯覚を呼び起こします。

絵画において動物を動物らしく描くという作業は
はるか昔から行われてきましたが
そこにはいつも動物の非現実化が
組み込まれていたように思えます。
特に古典を振り返ってみると
宗教的要素も加わって
そこには動物に人間的な要素が加わって
新世界的な感覚を呼び起こします。


そう、神様が作った世界ってこんな感じ?的な。



クアラルンプールのギャラリーはとても場所が贅沢。
その贅沢な空間に描かれた動物たちは

「写実的」なはずなのにとても「非現実的」。

とても宗教的な感覚が呼び込まれてきます。


息子はとてもこの空間が気に入ったようで
(「ボケて!」的な感じで)絵に1つ1つタイトルをつけて
とても盛り上がっていました。


NATEE UTARITさんは1970年バンコク出身。
1987年に the College of Fine Art を卒業、
1991年にタイのバンコクにあるSilpakorn大学の絵画彫刻学部で
グラフィックアートを卒業しました。


ちなみに前回、シンガポールのプライベートミュージアムで
行われた個展も拝見しています。
その時の作品はより宗教色が強く、教会の壁画のようでした。
今回の作品はより写実に近づいているんだけど
でもなんか別世界観が強くて引き込まれます。

普段よく会ってる猫に
いきなり話しかけるような衝撃とでも言えばいいでしょうか。
作品と鑑賞者の間に新たな空気を作るこの感覚が
とても興味深いと感じました。




5月31日まで。
National Art Gallery
2B Gallery, No.2 Jalan Temerloh,
Off Jalan Tun Razak, 53200 Kuala Lumpur.

休館日などはNational Art Galleryの公式サイトをご参照ください。
(でも行ったら実際は違うかもしれないのでドキドキしながらお出かけください)




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2018-05-14

ILHAM GALLRY「PATANI SEMASA」を観てきました。



ILHAM GALLRYにて

「PATANI SEMASA」

を観てきました。




先週のマレーシアはとても歴史的な1週間でした。
選挙によって初めての政権交代が起き、
野党が政権を奪取しました。
投票日から数日間は学校が急遽休みになり、
暴動の危険性が言われたので
予定していた試合をキャンセル。
(結果的には行けたと思う。。勇気のなかった私。。)



突然の5連休、せっかくだから有意義にということで
今回はILHAM GALLERY にやってきました。

基本車移動なので観光にはコツがあるクアラルンプール。
このILHAM GALLERYはKLCCから徒歩で行ける場所です。

このILHAM TOWER。レンタルオフィスやアパートメントもあるビルで
とても綺麗。インターコンチネンタルホテルの向かい側にあります。




今回の展覧会は「PATANI SEMASA」。(現代のパタニ)。
この展覧会は、昨年、タイ・チェンマイで初めて発表された
ゴールデン・ペニンシュラ(Golden Peninsula)の現代美術展の
巡回展のようです。

タイのMAIIAM現代美術館とのコラボレーションで発表されたこのショーでは、
28人のほとんどが40歳以下の若いアーティストの作品が出展されています。



多くの人がパタニ地方から来ています。
パタニ地方とは、タイのパタニ、ヤラ、ナラティワット、ソンクラの各州を指します。
なぜタイ?なのですがこの地域の支配的な文化的背景が
マレー族とイスラム教によって築き上げてきたことにあるそうです。
しかしこの地域はここ13年間(2004年~2017年)には、
紛争が継続して起きていました。
このことを念頭に置いてみると
この展覧会で提起された問いかけが改めて響きますね。




地方の制圧と宗教の関係は
調べれば調べるほど深いので
今回はまずは作品をしっかり味わおうと思ったのですが。


パワーありまくりやん。。



イスラム教を信仰しているこの地方の人々を
タイの地方警察が弾圧して来た歴史があるそうです。
信仰している宗教、軍隊、そして思想は
綿密に絡み合います。
その絡み合いから産まれたアートは果てしないエネルギーを
秘めています。
このパタヤ地方の現代アートは
今、タイのキュレーターやコレクターに
とても注目されてるというのも頷けます。





歴史知識がなくても
圧倒されるこの空気感。
この作品から生み出されるエネルギーを
ムスリムが住みやすい国であるマレーシアの人は
どのような気持ちで見るのだろうかと
思いを巡らします。
1つ1つの作品からは常に殺戮のメッセージがあるわけではありません。
しかし弾圧の歴史に満たされたパタヤから生み出された作品たちには
常に緊張感とそして不安があります。
そのエネルギーは見る人の心を深く、深く動かします。




こんなにエネルギーがあり、深く感じることが出来る展覧会が
無料で見られるなんてなんてラッキー!
ぜひ足をお運びください。


7月15日まで。日、月、休日休館です。



ちなみにカフェもすごく素敵です。



参考:
Ilham Gallery’s ‘Patani Semasa’ explores art from southern Thailand

PATANI SEMASA

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2018-05-05

Wei-Ling Contemporaryにて「SEEN 」を観てきました。




クアラルンプールのWei-Ling Contemporaryにて「SEEN 」を観てきました。


クアラルンプールのギャラリーをチェックする一番楽な方法は、
FaceBookページをチェックすることです。
情報を辛抱強くチェックしていくと時々「!!!!」
という展覧会に出会う事ができます。




以前、インターネットで拝見し「うわこれすげえ」と思った作品がありました。
それはニューヨークの街角で拾った「ポイ捨てされたゴミ」や
「髪の毛」から採取したDNAによりその人の顔を
3Dプリンターで再現するという作品。
Heather Dewey-Hagborgの「Stranger Visions」は
こんな事が出来るのか!と驚かされるような衝撃がありました。

作品は総合インスタレーションのスタイル。
そのゴミを拾った場所、
ゴミそのもの、
そして周囲の情報が表示されています。
取り出したDNAの情報から性別、瞳の色なども表記されています。
DNAの情報量が多ければもっと詳細な情報、
例えば「そばかすの数」などの情報も手に入れる事が出来るそうです。
ちなみに制作過程はこんな感じ。



そしてこのデータによって再現された顔とともに
展示はとても静寂を込めて置かれています。
この静寂とデータによる再現の残酷さは
とても微妙なバランスです。
見ていてとても興味深いけど同時にとても恐ろしくなります。
ゴミは捨てなければと想いを新たに出来るけど、
でも髪の毛って勝手に落ちるやん!どうしろって!!



今回、このHeather Dewey-Hagborgの「Stranger Visions」
がマレーシアのクアラルンプールにある
Wei-Ling Contemporaryで展示されるとのこと。
こりゃ観にいくしかない!と観に行きました。



今回はグループ展としての開催。
テーマは「Seen」。「See」の過去形ですね。






今回はみるという事がテーマです。
私はシンガポールに越してから「見る」という事に対して
少し考え方が変わりました。
シンガポールは監視社会として有名です。
私はシンガポールは(実際気がついていなかったのだけど)
多くの監視カメラがある社会であることを知ります。
最初は驚きましたが、でも別になれちゃうんです。




「見られてる」ことは慣れて消える。




今回の作品たちは
見るという行為が消えていく様を
とてもシンプルなアプローチで捉えています。
見るという行為そのもののシンプルさと、
見られる事によって持っていかれるもの、
失うものへの多角的アプローチとして表現されている
「見られる側が忘れていた部分」を
より明確に強制的に思いだせ!と
攻め込んでくるので辛いです。


もちろん注目したいのは
Heather Dewey-Hagborgの「Stranger Visions」。
おおおやっとゴタイメーン!






そこで感じたのは不気味なほどの静寂さ。
写真で拝見した時と別の印象も。
それは「3Dプリンタの精度」でした。







今回の作品は2013年に発表されたもの。
近くでみると肌のカーブが細かい平面の集合体である事が肉眼でもわかります。


2013年の時点で
「技術進化によりこの再現の技術はどんどん上がっていくだろう」
とのこと。


確かに2017年の作品は映像を見るだけで
既に再現力が格段に上がっていることはわかります。


技術の進歩により
「見られる」という行為はどんどん鈍化していくのでしょうか。
その鈍化により見られる側である私たちは何を失うのでしょうか。



ちなみにこの作品。
ポンピドゥーセンターとプライベートコレクションとして
所有者がすでにいるそうです。
この事実も結構怖い。
自分の知らない場所で知らない人に自分のDNAが開示されてる。。
これは子供が成人とか老人になった時どうなってんのかなあ。。
と改めて身震いしました。


7月1日まで。
MidValley Megamall という非常に大きなモールの最上階に
展示スペースはあります。非常にわかりづらい場所なのでご注意ください。
詳細は公式FBページをご参照ください。

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2018-05-01

Japan Creative Center 「感0 - KANZERO An Exhibition by wataboku」 を観てきました。



Japan Creative Centerにて

「感0 - KANZERO An Exhibition by wataboku」

を観てきました。
WATABOKUさんと息子。仮面かわいい。



CLEAR EDITION & GALLERY の中牟田洋一さんが
「4月に面白いことやるよ」と以前囁いて下さっていた展覧会。
ちょうど息子の試合の週だったので訪問することが出来ました。
今回はWATABOKUさんの展覧会を中心に
シンガポール人で香港を拠点に活動中のMuji Monsterさん、
フィギア作家として有名なShigeki Kobayashiさんとのコラボ作品もありました。



WATABOKUさん。正直名前は存じ上げていなかったのですが
作品を見ると「あ!観たことある」。
本の表紙なども手がけておられますね。


今回の「感0 - KANZERO An Exhibition by wataboku」。
最初はシブカル祭りのような
「ファッションアイコン的な感じなのかな」
と思っていたのですが。。






あれ。




なんか思ってたんと違う。


通常このような「女子高生」をテーマにした作品群の際、
同じ女性としてなんとなくほんの少しの嫌悪感みたいなものを
感じることがあったんですね。
でもそれはしょうがないことだと思うし、
そもそもそういうものだろうと思っていたんですね。



でもなんか今回は違う。
この爽快感はなんだろう?
なんでなんだろう?




今回訪問できたのは Muju Monsterさんとのアーティストトークでした。
その謎も含めてきっと面白い話が聞けるなあとワクワクしていたら。。



予想以上に面白かった!



作家専業ではないWATABOKUさんは
「専業ではない自分」をとても有効に活用されていて
作品に取り組む際自分の感覚をリセットする
(感覚をゼロにする)ことを意識されているそうです。
タイトルの「感ゼロ」の由来はそこ。
ちなみにWATABOKUとは仕事上の私、デザイナーの僕
をあわせてだそうです。
兼業作家であるスタンスをポジティブに捉えるその発想は
なかったなあすごいなあと思いました。
フォトショップでまとめられた作品制作の過程は
息子も釘付け。「産まれる」ってすごいなあと改めて。


そして。


質疑応答になり1日のスケジュールとかを
とても正直に話しておられて(ちょとびっくり)
楽しいやりとりだったのですが、
ある女性の質問に会場の一瞬空気が張り詰めました、



「なぜ女子高生ばかりを描くんですか」



昨今の日本の相撲協会の行動など
日本における女性差別のあり方などが
英語で語られることが増えています。
正直個人的に恥ずかしい想いもしてきたのでこの質問に


女性に対しての偏見のようなものがないですか?


という抗議的な雰囲気を感じた私は少し緊張したのですが。。


WATAOBKUさんは予想外の話を始めました。


高校生の時、WATABOKUさんには
憧れのクラスメイトがいました。
彼女は不良ではなかったのですがとても変わった世界観を持っていて
クラスのみんなからもとても不思議に思われていたそうです。
naughtyとはまた違う感じのようです。

----------------
naughty;いたずら(好き)な、わんぱくな、言うことをきかない、いたずらで、わんぱくで、きわどい、みだらな、わいせつな
----------------

彼女はとても強い眼差しを持っていて、
その眼差しがとても印象に残っているとのこと。

WATABOKUさんは

「ぼくの作品のモデルはその彼女と言えると思います。」

と話されていました。そして最後に

「ぼくは彼女をとても尊敬しています」

とコメントされて


あああああああこれかああ


と気がつきました。
WATABOKUさんの作品に描かれてる
女子高生に対しての「心の底からのリスペクトの感覚」は
絵を拝見しているとすごくちゃんとわかります。
私も(女子力ないけど)同じ女性だからかでしょうか。


だからこの爽快感なのか!!!


中牟田洋一さん曰く
「彼の作品はアジアの女性にすごく人気なんだよ」
と言われた理由がわかります。
そうなんですとてもリスペクトに溢れているんです。
だから女性としても観ていてとても気持ちいい気分になる。


アジアでは日本の「女子高生」というファッションアイコンは
いい意味でもあまりよくない意味でも普及しています。
今回のWATABOKUさんの作品には尊敬の念が溢れているから
一線を画しているのだなと改めて思いました。



ちなみにそのクラスメイトとは今でも仲良しだそうです。
素敵なお話でした。





WATABOKUさんは今回アジアツアーということで
インドネシアなども回っておられるそうです。
来月にもシンガポールの別のギャラリーで展示があるとのこと。
楽しみです。

JCCの展示は5月12日まで。日曜、月曜休館です。

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